ちいさな恋 2nd

担当さん ページ40

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「Aちゃん、髪ほんと綺麗だねー。癒されるわ、触ってて。」


そう言って髪に手を通すのは、いつも担当してくれる美容師の北山さん。



「ほんとですか？？お手入れしっかり頑張りまーす」


毎回言ってくれるこの言葉を、毎回間に受けてにやついてしまう私。



最寄駅の近くにできた美容院に通うようになってもう3年…ぐらいかな？

1番初めに担当してくれたのが北山さん

THE 美容師

的なチャラいオーラを身にまとって現れたのを見て
心の中の第一声は

「……うゎ。」


だった。(笑)


でも腕は確かで、カラーはいつも理想の色。カットだって的確。

おまけに、サロンでずっと話すのが苦手だった私が雑誌も読まずにお喋りちゃうほどおもしろくて。


毎回帰る頃には"もう終わっちゃったんだ…"って残念に思う気持ちで半々になるぐらい。



月に一回の癒しの時間になってる。



北「結構伸びたねー！初めは短かったのに。」



「伸びましたよねー。ロング、結構好評なんですw」



……なんて。

本当の本当は、北山さんに1秒でも長く梳かしてもらいたくて、胸の下まで伸ばした髪。



不純。(笑)






北「お！そうなんだ？？

うんうん、確かにAちゃんのロング、俺もいいと思うよ。」



…はい、この長さをキープすることを誓いました。たった今。



「北山さんにそう言ってもらえたら、自信持てますっ！(笑)」



北山「そう？じゃー今日も更に可愛くなって頂きましょう。(笑)」


こんな風に笑う姿に胸がキュンとする。


…俗に言う美容師マジックってやつだよね。(笑)



そんな話をしながらカラーが塗られていく。




でも人気者の北山さんは、あっちこっちにお客さんがいて、シャンプーはいつもアシスタントさんに交代。



…ちょっとだけ残念。




「あーAさん、そんな残念そうな顔しないでくださいよー。」


そう言ってやって来てくれたのは、いつもシャンプーしてくれる玉ちゃん。



「えっ？！してないしてない！！
えっと、玉ちゃんで嬉しいなーって思ってたよ？」


焦って言い返すと


玉「いや絶対嘘じゃないですか！はい、俺傷つきましたー。」


とわざとらしく目を伏せた玉ちゃん。



「いやいや！玉ちゃんのシャンプー、気持ちいいから好きだよ？」



髪の毛の間からちらっとこっちをうかがい見ると



「…もっかい言ってください。」



そう言って上目遣い。



くっ…！あざとい…！！



でもかわいい…！！

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