ちいさな恋 2nd

ボディーガード？ Ki ページ31

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「「「「カンパーイ！！」」」





毎年この時期になると開かれる、新入社員の歓迎会。



今年も新人の子たちがフレッシュな笑顔を浮かべてる。

かわいいなー なんて思いながらビールを飲む私は、新歓に参加するのも今年で7回目だ。




「佐倉ー、お前飲んでるか〜？」



…来た来た。


飲み会も中盤に差し掛かると、お約束のように出来上がる寸前でやってくる部長。



「飲んでます飲んでます、浴びるほど飲んでます！！」



部「おー、じゃあもう一杯付き合え。」



そう言って進めてくるのは苦手な日本酒。

でもそんなこと言えないし、一杯飲めば満足するなら仕方ないか…。



「もぉー、一杯だけですよ？」


そう言ってグラスを手に取ると、注がれたお酒を部長の話に相槌を打ちながら笑顔で飲み干す。



…あーやっぱり苦手。
日本酒飲むと、後で絶対頭痛くなるんだよね。



そんなことは知らない部長は、空になったグラスを見てさらに勧めて来る。


あーどうやってやり過ごそう…

そう思っていると



「部長〜！たまには俺の隣にも来てくださいよ〜
いっつも佐倉じゃないすか！」


そう言って半ば無理矢理間に入ってきたのは、同期の宏光。



部「お、なんだ北山か！お前も飲め！」


持ち上げ上手な宏光に、嬉しそうな部長。



北「あ、俺グラス置いて来ちゃった！借りるわ。」


「えっ 」


私の手からグラスを奪い取ると、注がれた日本酒を飲んでことりとテーブルに置いた。



素知らぬ顔でお酌してるけど、私が部長に絡まれると高確率でこうして助けてくれる宏光。


同期で仕事もできて、職場での信頼も厚い。

ただ見た目はちゃらい。(真面目にしてるはずなのに)




助けてもらった事を心の中で感謝しながら、火照った体を冷ましに席を外す。




店前の待ち合い椅子に腰掛けて一息ついていると、ズキズキと痛み出す頭。

どんどんお酒が回って来てる感覚がして、叶うならこのまま寝かせてほしい…


出でよ、どこでもドア。


目を瞑ってバカなことをぼやっと考えていると、頬にひやりと冷たいものが触れる。


「ひゃっ！」


驚いて目を開けると飛び込んで来たのは、水の入ったペットボトルと宏光の姿。


北「ばか、こんなとこで寝んな。」



「ごめん、思ったより酔っちゃって。
…さっきありがと。助かった。」



北「いや、一杯目見逃してたわ。悪い。」


「ん〜、ビールならまだいけたんだけどなぁ…(笑)」


北「ダメだもんな、日本酒。」

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