ちいさな恋 2nd

＊ ページ21

週が明けて月曜日。



また1週間が始まるのかと思うと結構憂鬱。
今までこんな風に思った事なかったのになぁ…


やっぱり北山先輩は私のなかで大きな存在なんだと改めて感じる。



そんな事を思って駅からの道のりを歩いていると、"おはよ。"と頭の上に優しく乗った手。



「藤ヶ谷先輩！おはようございます！
…あの、この間は…


藤「楽しかったな。また行こうぜ。」



「ありがとうございました！はい。またぜひ。」



ぽんぽんっと頭を撫でて笑ってくれた先輩。


さ、爽やか…！


自然に一緒に出社する形になって、藤ヶ谷パワーでさっきまでの憂鬱さが半減。


藤「背中、負のオーラ出てたぞ？(笑)」



「えっ！！！」


藤「ふふ。(笑) まあまあ、何かあったらいつでも聞いてやるって。」


"俺、優しいからねー"



って悪戯に笑う先輩。



……先輩みたいな人を好きになればよかったんだろうなー、きっと。




そうこうしているうちに到着して、自分の席に着く。





始業時間になって、いつも通りのルーティーンで仕事をこなす。






……でも何でだろう？


今日はやたらと藤ヶ谷先輩に出くわす。


給湯室でコーヒーをいれていたら

"Aー、俺のもお願い"

って入って来たり



いつもは他の先輩から回ってくる仕事を、わざわざ届けに来てくれたり



何ならトイレのタイミングまで一緒。



こんな珍しい事もあるんだなーなんて思っていたら、午後になってまたやってきた先輩。


藤「A…ほんっと悪いんだけど、これ今日中にお願い出来る？」


そう言って渡されたのはなかなかの大仕事。
今からだと確実に残業だな、こりゃ。

でも先輩にこんな申し訳なさそうに渡されたらやるしかないよ…(笑)


「わかりました！」



藤「ほんとごめん！
手伝いたいんだけど、俺この後外で…結構遅くなるから戻れそうになくて…」



「そんな！全然大丈夫です！私の仕事なので！！
任せてください。(笑)」





ほんと申し訳なさそうに、"今度なんか埋め合わせする！"と言って外回りに出て言った先輩。




律儀だなー、そりゃモテよね。


よし！少しでも早く終わらせよう！


気合いを入れて仕事に取り掛かった。

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