ちいさな恋 2nd

＊ ページ3

藤ヶ谷side





A「……………え？」






相当驚いた様子のA。


そりゃそうだよな。
自分でも言うつもりなんてなかったし。





でも…自分のことどんな風に思ってるのか知らないけど

" 釣り合わない " なんてあんなに悲しそうに話す顔を見てたら言わずにいられなかった。




入社してから毎朝欠かさず笑顔で迎えてくれて、自分の仕事はきっちりこなすし、どんなに残業で遅くなっても文句も言わずにやり切ってくれる。


優しくて、周りにちゃんと気を配れるいい子。



一緒にいるとその場が明るくなる、そんな姿にいつの間にか惹かれてた。






でもそれは多分…北山も同じで。



あいつはからかいながらもAとの距離を縮めて、そんな北山にAもだんだん気を許して話すようになっていってた。






あー、北山のこと、好きなんだろうな。







そう思うようになったのはいつからだっけ。




ほんとは、自分のこの気持ちは胸にしまって見守ろうって思ってきたけど





そう思ってる時に限ってこんな姿見せられるんだからどうしようもない。




…もうこうなったらとことん正直になるしかないか。





「驚かせてごめん。





でも俺、好きな人を黙って応援できる程…優しくなれなかったみたいだわ。」







A「先輩……？


すみません私…

「…うん、突然こんなこと言っても困るだけだよな。ごめ…

A「そうじゃなくて！！！！




あの…




違います。







………先輩です。」









「ん……なにが？」







再び耳まで赤くして、溢れそうな涙を目に溜めたAが顔を上げてこっちを見た。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す