足りない

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起きると、外が明るくなってて、毛布が掛けられていた



真っ白なスマホは机の上に優しく置かれている






「星(あかり)ちゃん…」





星ちゃんに無様な姿を見せてしまったことに、少しだけ後悔した





先輩に電話を掛けた




「もしもし」


＞「Aちゃん？どうした？」


「すいません、今日休みます」


＞「…なんか、あった？」


「はい？」


＞「いつも休まないじゃん？多分今日が初めてじゃないかな」




知らなかった。そんなに熱心だったっけ

心優しくて察しがいい先輩に、素直に話すことにした




「私、諦めたんです」


＞「例の、彼のこと？」


「…はい」


＞「Aちゃんがそれでいいなら、いいと思うよ」


「実は、相談していた友達と喧嘩しちゃって…」


＞「あら」


「復縁は多分難しいと思います…(笑)」


＞「そっか。今日はゆっくり休んでね。店長には私から言っておくから」


「先輩、ありがとうございます」


＞「無理しなくていいからね」


「はい」






もう、諦めればいいんだ


でも、夢は諦めない




友達として、会えるなら会おうみたいな程度でいいでしょ








きっと、彼は私のことなんか好きじゃなかった


もう、私のことなんて忘れてるだろう








じゃあなんで、あの時、私を抱き締めたりしたの






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