十四話 時間 ページ15
学「して、何故Aは亡くなった
何か病にでもかかっておったか?」
あ「いえ、恐らく何かから奇襲を受けたと思われます」
学「奇襲…」
あ「はい、何故襲われたのかはわかりませんが…
あちこちに刃物の傷や、手裏剣が落ちていました」
学「そうか…Aの体は?」
あ「家の裏に埋めました 父は生前葬式は挙げてほしくないと言っていたので」
学「Aらしいの…」
あ「…今日は、私が相談したい事もあって伺わせてもらいました」
学「そういえばそうだったの して、お主は何を悩んでおる」
あ「はい …家族を亡くした今、これからどうすればいいのか分からないのです」
学「落ち込んでしまって考えるのも億劫ということか」
あ「…きっとそれだけではないんです
私は今まであやふやな時間を過ごしてきました
将来、何をしたいかも考えていませんでした
そんな時に家族を亡くし
何をすればいいのか、何をしたいのか
考える時間がなくなってしまいました」
学「時間か…」
あ「隠し倉庫の物は何も盗まれていませんでした
…私の家が資産を持っているなんて知りませんでした
驚きと同時に悲しさもありました
そんな事も知らなかったなんて、と
金銭ははあるのに時間はないなんて
おかしな話です」
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作者名:教六 | 作成日時:2020年7月6日 21時