六十九話 手の温度 ページ28
鉢「此処でいいか」
三郎は校庭隅の木の下に座る
あ「…どうしたんですか？」
鉢「…用は無いが、話したかったんだ
会えなくて寂しかったしな」
…三郎からこんな言葉を聞ける私は
幸せ者だろう
鉢「駄目だったか？」
そんな訳ない
貴方となら
あ「…いえ
嬉しかっただけです」
鉢「良かった」
三郎は、少し微笑んだ
…そうだ
三郎には、もう言ったほうがいいかな
あ「あの、まだ来年のことなんですけど
私、四年生までで学園を出ることにしたんです」
鉢「…そうか
寂しくなるな」
寂しくなる
…そうしたら
あ「…来年からは、会えませんか？」
私、今すごく面倒くさいだろうな
でも、確認しないと落ち着かないんだ
鉢「何故、会えなくなるんだ？
私は会いたい、Aも会いたいなら、会いに行く」
ぐるぐると考える暇もなく
三郎から返事が返ってきた
…三郎は
いつも私の欲しい言葉をくれる
あ「…それは、よかった、です」
だから、安心できる
だから
三郎が好きなんだろう
鉢「…前から思っていたんだが
Aは私のことを名前で呼んでくれないのか？」
そういえば、そうだった
先輩だし、苗字で呼んでいた
…そうだ
あ「では
先輩も、私のことを名前で呼んでくれませんか？」
鉢「…そうだな
では、二人きりのときは
お互いに名前で呼ぶことにしようか」
あ「はい
…少し、嬉しいです」
鉢「…私も、嬉しいよ」
三郎の眼は
愛しいものを見るそれで
私は
顔が綻ぶのを
抑えきれなかったと
思う
あ(…なんだか眠いな)
そう思うが先か
目を閉じるのが先か
私はいつのまにか
眠ってしまった
意識が飛ぶ寸前
手から
貴方の温もりが伝わった
気がした
悪夢は
見なかった
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妖福(プロフ) - なななさん» コメントありがとうございます！ドキドキ…そんな風に言ってもらえるなんてすごく嬉しいです！！更新頑張ります！！！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - 初めまして。三郎が大好きでこちらの作品を拝見させていただき、とても素敵な三郎に会えて嬉しいです。夜中に一気に読んでしまいました。三郎の一言一言に自分もドキドキしました。こらからも頑張って下さい(^^) (2020年9月10日 5時) (レス) id: c0f8350906 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - ちびきゅうさん» コメントありがとうございます！好きが強くなってくれてる…とても嬉しいです！更新頑張りますね！！ (2020年9月9日 19時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちびきゅう(プロフ) - とてもおもしろかったです！もともと三郎が大好きなのですがこの作品を読んでさらに大好きになりました！！更新頑張ってください(*´∇`*) (2020年9月9日 5時) (レス) id: d482c4bf0c (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - 音かなでさん» わわっ！コメントありがとうございます！！楽しんでくれて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2020年8月10日 16時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：教六 | 作成日時：2020年7月22日 18時
