紫の王子さまとの、甘い甘い生活

嫉妬 ページ20

な「ぽむちゃん！ シナモンちゃん！ おいでー」


今、なーくんはぽむちゃんとシナモンちゃんに甘々状態だ。

甘々になっちゃうのはわかる。
だって、2匹ともカワイイんだもん。

だけど、やっぱりモヤモヤするよ……。


私は、なーくんがぽむちゃん達に気を取られている間に寝室に行き、なーくんのぬいぐるみクッションを膝に抱いた。


私も「にゃー」って鳴けばいいのかなぁ。
そんな訳ないか！


「にゃ……にゃー」


何しているんだろう。
こんなことしても、私がカワイイ訳……。


な「あれー、Aさん？ 何してるのかなー？」


待って待って、いつの間になーくんが部屋の前に来ていて、私のこと見てるんですけど！？
そして、なんでよりによって今来ちゃうのぉ！？


「きゃあっ！ なーくん！」


な「何してたの？」


「な……なんでもない！！」


なーくんのぬいぐるみを抱きしめながら、顔をそむける私。


な「ほんとに〜？」


何かを探るように、聞いてくるなーくん。


「ほんとほんと！！ ほんっとになんでもないの！」


な「『にゃー』って言ってなかった？」


「ううん！」


な「猫の真似したんじゃなかったの？」


「え！？ ……そのつもりじゃないのっ！」


嘘がつくのが上手な人間として生まれたかったな……。
そりゃ嘘はダメだけど、今くらいは……。
だって……。

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