三十六話 ページ46
奏汰「あやなは『いつも』れいと『いっしょ』です。
ぼくだって、『もっといっしょ』にいたいのに〜…
そんなにれいは『だいじ』なんですか？」
『…逆じゃよ、奏汰』
Aは奏汰の腕の中で目を閉じて言う
『妾と零は、この学院に入る前から一緒におったが…
一年前のことがあってから…妾はそなた達との接触を避けてきた
じゃが、零は…自ら妾の元に来てくれた。
零も辛かったはずじゃ、妾を許すなど、到底出来ないほどに…妾を恨んでいたやも知れぬ
それでも、零は来てくれた。
妾には、それが堪らなく辛く…そして嬉しかった
それから妾と零は、また共に過ごし始めた
じゃが、共に過ごす度にいつも思っていた…
「これで良いのか」と……
零は、あの後…以前よりもっと、いつも妾を気遣ってくれるようになった。
優しさなのか、同情なのか…
妾は、このままでは…零に依存してしまう
零の優しさに甘えて、守られ…零無しではいられなくなってしまう
いつも妾が、零の重荷になっているような…そんな気がしてならなかった。
だから今日も、零に甘えてしまわぬように…一人で出てきたのじゃ』
Aは、一つ一つの言葉を噛み締めながら、ゆっくりと話した
奏汰「…れいと『はなれる』なら、『こんど』はぼくを『そば』においてください〜」
『奏汰…？』
その言葉と同時に、奏汰はAを強く抱きしめ直す
Aには奏汰の表情や目線の先がわからなかったが、強い意志を持ったその言葉に戸惑いを見せる
奏汰「あやなの『せんたく』を『わるい』なんておもいません。
それは、あやなが『じぶん』で『きめた』ことですから〜
でも、ぼくの『きもち』はさっきも『いった』ように…
『あやなをひとりにしたくない』んです。
だから、れいの『となり』を『はなれる』なら…こんどはぼくの『となり』にいてください〜」
『隣に行けば…甘えてしまうぞ？
妾は弱い…一人では立てなくなってしまった…
隣にいれば、面倒なことが多くある…
迷惑や、苦労もかけるじゃろう
それでも…いいのかえ……？』
奏汰「」スッ
Aの言葉を聞いた奏汰はAを己の腕から解放する
向き合ったAの美しい紅の瞳は、不安で揺れていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 741人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやなん(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます。色々と考えてしまうことはありますが、読者の皆さんに少しでも面白いと思っていただける小説をこれからも描いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 (2022年10月10日 23時) (
レス) id: d5cd118286 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 再開ありがとうございます！！！！ずっと楽しみにしてたので嬉しいです！無理しない程度に頑張ってください！応援してます！ (2022年10月10日 22時) (レス) @page44 id: a5378d014a (このIDを非表示/違反報告)
あやなん(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます！年末年始は立て込んでいるのですが、更新できるように頑張ります！ (2021年12月26日 8時) (レス) id: d5cd118286 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - この作品大好きです!!更新待ってます* (2021年12月26日 2時) (レス) @page42 id: e52c580f03 (このIDを非表示/違反報告)
セラヲタなごちん@飴玉中毒者(プロフ) - あやなんさん» ありがとうございます(о´∀`о) (2021年11月21日 10時) (レス) id: 23be3b705f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやなん x他1人 | 作成日時：2021年3月13日 21時
