もっかいだけ。 ページ3
どんな話をするのかと思ったら、さぞ真剣な顔をして山田のことどう思ってる？なんて言ったこいつ。
「………はぁ？」
大貴「告ったのも振ったのもあいつでムカつくのも分かるぞ！？分かるけど！俺と知念的には仲直りしてほしいわけ。で、山田に言ったらあいつ「俺Aに嫌われてっから」って。だから、どう思ってんの？ってこと！」
「好きじゃないよ。あんなやつ」
大貴「だぁー！！じゃなくて！！友達としてだよ！」
あぁ、友達として？なんて返して手元のスマホでラインを開く。
「あ、いた。ほら」
大貴「山田とラインしてんの！？」
「でも見て、ほら」
大貴「会話なしかよ！」
「なに今日ツッコミ多くない？」
そこはいいんだよ！って怒られて、軽くため息を吐きながらスマホを閉じると大貴があのさ、と口を開いた。
大貴「Aそういうのは鈍い方だからわかんねぇだけでさ、山田は山田なりになんかしようって考えてたよ？」
彼が今言おうとしてるのはきっとあの日のことだろう。
私達が別れることになったきっかけのクリスマスの日のこと。
「私は私。あいつはあいつ。違う？」
大貴「聞けって」
「今は、あいつはアイドル。私はしんだ親が残したこのカフェのオーナー。ね？身分違いすぎでしょ？」
大貴「A……」
「……もうこんな時間だね？帰んなよ。なんならタクシー呼ぶけど。明日も仕事でしょ」
大貴「……またくるから。今度はあいつらと一緒に」
「……じゃーね」
パタン、と音を出してしまったカフェのドア。大貴が今まで座ってたそこはまだあったかくて無性に泣きたくなった。
外は雪が降ってた。
高3のあの時みたいに。
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作者名：ずみんみん | 作成日時：2018年11月23日 12時
