J58 #2 ページ22
光の両親は牢屋の中にいる。
理由は言わずもがな、という感じだが。
ここに来た時から彼は少し幼くて、とても小学2年生には思えなかった。
愛情不足ゆえ、人との距離感が掴めなかったり、そのせいで嫌われたと学校から泣いて帰ってきたこともあった。
まるで、雄也を見てるみたいだった。
「もう、大丈夫…」
下から小さな声が聞こえた。
まだ少し息を切らした光が下から覗き込んでいる。
「光、まだはぁはぁしてるよ?もうちょっとギュッてしてようか。」
もう一度光をぎゅっと包む。
小さな背中はやっぱりまだ少し上下している。
「宏ちゃん、ごめんね。」
「なんで?」
「宏ちゃん、悲しそうな顔してるから。」
そんな顔をしてしまっていただろうか。
「こうちゃん泣かないで」なんて舌ったらずに言われてしまう。
「ひかる…」
「なぁに?」
「お前、本当に強いね…」
「強い?」
「うん、すっごく強い。」
「僕、泣いちゃったよ?」
「泣いてても、強いよ。光は強い。」
俺は、あの日何をしてやれたんだろう。
お前を、一番泣かせてしまったあの日に何をしてやれた?
「こうちゃん、あのね。僕より慧くんの方が強い。」
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青空と虹(プロフ) - わざわざ言っていただいたのにすみません……これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 2時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 青空と虹さん» いえいえ!了解しました、これからも応援しています! (2021年2月1日 21時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - ぷく顔信者さん» はじめまして!コメントありがとうございます。今のところ自分の作品はイニシャルを入れずに伝えたいな、と思っており、入れずに進める方針です。読みづらくなってしまい申し訳ないのですが、誰が話しているのか考察して欲しいな、という作者の我儘です。ごめんなさい! (2021年2月1日 20時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 初めまして!まだ数話しか更新されていませんが、楽しく読ませてもらっています(´˘`*) 差し出がましいのですが、鍵かっこの初めに誰が話しているかわかるようにイニシャルなど入れていただくことは可能でしょうか…? (2021年2月1日 19時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空と虹 | 作成日時:2021年2月1日 0時