唯一 ページ5
目が覚めたらいつもと違う感覚がした。
ゆっくりと目を開ければ、視界に広がったのは見慣れた黒いジャージで。
どうやら俺は葛葉のベッドで一緒に眠っていたみたいだ。
知っている空間とはいえ、過ごし慣れた自室では無いことに疑問を感じて眠る前の記憶を漁るものの、欲しい答えは見つからない。
｢葛葉｣
｢ん、……起きたんか｣
｢うん、俺どうしてここにいるのかな｣
申し訳ないと思いながらも小さく声をかけてみれば目の前の吸血鬼は直ぐに起きてくれた。
ふぁ、と欠伸をしながら彼は空いた隙間を埋めるように俺を抱き寄せた。
……抱き枕じゃないんだし、多少苦しさがあるんだけどな。
｢メシャとの飲み会配信であまりに酔ってたから回収しに行ったんだよ。
おっまえ、飲まないでアレってだいぶヤバいからな？今後は飲み会の席にすら行くなよ｣
｢……俺そんなに酷かったの？
まぁ今後はより一層気を付けるよ｣
そこまで返すと、腕の力が強まった気がした。
｢『気を付ける』。じゃなくて、『行かない』って言えよ｣
彼にしては珍しく強い言葉に、数度瞬きをした。
｢えぇ？
今後は付き合いも増えるだろうし、確約は難しいんじゃないかな｣
｢ンなこと分かってる。……分かってんだよ｣
ぎゅうぎゅうと抱きしめる力は依然弱まることの無いまま。
そこでやっと目の前の吸血鬼が普段とは違うことに気づいて、自分からも小さく抱きしめ返す。
｢なぁに、悪夢でも見たわけ？
急にどうしたのさ。葛葉がそんなこと言うの珍しいもんね｣
ふいに、『ずっとってどんくらい？』とリスナーに問い掛けていた姿を思い出した。
冗談で束縛しようとすることはあっても、明確に縛り付けることは避けていたはずなのに。
｢……お前さ、何で呼び捨てにしてたの｣
｢呼び捨て……？してたの？｣
｢酔ってても、
｢ちょ、……！葛葉ッ！？｣
2人で横になっていたはずの体勢が変わる。
腕の力は解かれて、横にあった深紅の瞳は天井を背景として俺を見下ろす。
｢
不機嫌そうな紅玉がじわりとなにかの感情で燃える。
｢＿＿お前が離れてくのなんて、二度とごめんだ｣
過去を思い返しているのか、苦しげに表情を歪めた葛葉が驚いて反応できない俺の首筋へとゆっくり顔を埋めた。
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日向(プロフ) - りくさん» お眠だとwtrくんのIQは限りなく下がります^^ ありがとうございます！遅くはなってしまいますが更新頑張ります！！ (2021年11月18日 21時) (
レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - ｳﾞｧｧｧwtrかっっっわいい…幼児退行するwtr……ありがとうございます…お仕事等大変かもしれませんが更新頑張ってください応援してます (2021年11月17日 2時) (レス) @page41 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - VALSHEさん» ifルート作成してみました！気に入って貰えたなら良かったです〜！！ (2021年11月9日 11時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
VALSHE(プロフ) - ああああああああぁぁぁ😭😭😭😭😭ありがとうございますありがとうございます。もう心がしんどすぎて好きです！！ (2021年11月8日 20時) (レス) @page38 id: c2ab4ac1ed (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 木比灘さん» てぇてぇでてぇてぇになったなら良かったです！(？)主人公の雰囲気も気に入ってもらえたなら嬉しいです！｢終焉逃避行｣を知らなかったので今度聞いてみようと思います！今後も無理なく頑張ろうと思います！もしリクエスト等ありましたらお気軽にお願いします！！ (2021年11月7日 22時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向 | 作成日時：2021年10月19日 1時
