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鬼は言えないと言い続け、首を横に振る。
鬼「言えないんだよオオオ!!!」
そう言ったと同時に私が斬り落とした腕を再生させ、炭治郎に攻撃を仕掛ける。だが、炭治郎はそれを交わして鬼の頚を斬った。
その後、炭治郎は寝ている禰豆子の方へ走っていった。私は逆に和巳さんの元へ歩み寄り、地面に座っている和巳さんに合わせるようにしゃがみこむ。
貴方「和巳さん、大丈夫ですか?」
和「……。婚約者を失って、大丈夫だと思うか」
その答えを聞いて、助けることの出来た女性が里子さんでないことを知る。
貴方「………。和巳さん。失っても失っても、生きていくしかないんです。どんなことがあろうと」
そう告げると和巳さんに胸ぐらを掴まれる。
和「お前に何がわかるんだ!!お前みたいな子供に!!」
そう叫ぶ和巳さんに向かって掴まれている腕を離しながら笑いかける。すると、彼ははっとしたように手の力が抜けた。この人は綺麗な色だ。他人に対して涙を流せる、とても綺麗な人。
私はその色を忘れないように、ゆっくりと瞼を閉じて記憶に焼き付ける。そして目を開いてから和巳さんに声をかけた。
貴方「私達はもう行きます」
そう言って立ち上がり、炭治郎の名を呼ぶ。すると、背負っている木箱の中に禰豆子を入れた炭治郎が慌てた様子でこちらに走ってきた。
どうしたのかと首をかしげていると、炭治郎は和巳さんの前まで走って止まった。
和巳さん、これを
そう言った炭治郎の手にはたくさんのかんざしがついている布があった。
炭「この中に里子さんの持ち物があるといいのですが…」
ぺことお辞儀をした炭治郎を見て、話が終わったのだと理解する。そして私達は並んで歩いていく。少し歩いた所で後ろから声が聞こえた。
和「すまない!!酷いことを言った!!どうか許してくれ!すまなかった……っ」
さっき言っていたことかと一人納得して、やはり綺麗な人だったんだと思いながら、後ろを振り替える。そして軽く腕を上げひらひらと手を振る。
再び前を向き歩き始めると鴉が私達のそれぞれの肩に降り立った。
鴉「次ハ東京府浅草ァ!鬼ガ潜ンデイルトノ噂アリ!!カァアア!!」
すると炭治郎の鴉が叫び出す。もう行くの?と小豆に尋ねる。先程終わったばかりなのに。
小豆「行クノ!行クノ!」
そう言って私の頭の上をくるくると回る。
私は息を吐き死んだ魚のような目をして、浅草へ向かった。
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作者名:夜百合 | 作成日時:2017年12月1日 21時