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「心シテカカレ!北西ノ町デワ、少女ガ消エテイル!!」




炭治郎の鴉に続いて、私の鴉(名は小豆)も喋り始める。




「毎夜毎夜、少女ガ、」

「少女ガ消エテイル!!!」




□■□■




■□■




□■









鴉から仕事の内容を告げられ、私達は北西の町へ来た。支給服を身に纏い、最終選別と同様に狐のお面を腰につけて、縦縞の羽織を上に羽織る。




そんな私の隣を歩く炭治郎は、以前背負っていた籠ではなく、鱗滝さんが作ってくれた木の箱を背負っている。何でも軽い上に強度も上がっているのだとか。




そんな隊服を身に付けた私達の横でやつれた男性とすれちがう。するとそばで話している奥様方の声が聞こえた。




「ほら和巳さんよ、可哀想にやつれて…」


「一緒にいた時に里子ちゃんがさらわれたから」


「毎晩毎晩気味が悪い」


「ああ嫌だ」


「夜が来るとまた若い娘がさらわれる」




それを聞いた私達は目を合わせて頷き、先程のやつれた男性、和巳さんの方へ向かった。




炭「和巳さん!!!」




貴方「ちょっとお話を聞きたいのですが、いいですか?」




私達が尋ねると里子さんがさらわれた場所に案内してくれた。




和「ここで里子さんは消えたんだ。信じて貰えないかもしれないが…」




炭「信じます!信じますよ!!信じる」




そう言った炭治郎は地面に伏せて匂いを嗅ぎだした。私も目を凝らして見るが色はあまり見えない。色がついているのか微妙な感じの地面があったりなかったりしている。




貴方「炭治郎、何か匂いする?色はほとんど見えないよ」




炭「微かに匂うよ。でも、斑というかなんというか…変な感じなんだ」




炭治郎の鼻を頼りに鬼の行方を探す。いつの間にか太陽は沈んで、空には綺麗な満月が漂っていた。




町を歩き続けて数時間。突然炭治郎が走りだした。




和「どうしたんだ急に!!」




炭「匂いが濃くなった!!鬼が現れてる!!」




そう言った炭治郎は屋根の上に飛び乗りそのまま鬼のいる方へ走っていく。




貴方「和巳さん、炭治郎の後を追います。ですがあくまでも和巳さんのペースで走ってください。無理はしないように」




和「あ、ああ…」




私は和巳さんと共にだんだん離れていく炭治郎の色を目当てに走り始めた。

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作者名:夜百合 | 作成日時:2017年12月1日 21時

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