17 ページ18
炭「竈門炭治郎は俺です。中へどうぞ」
キリッとそう告げた炭治郎だったが、鋼鐡塚はその場に座り込む。
貴方「あの、どうぞ中へ」
鋼「これが"日輪刀"だ」
鋼鐡塚さんは聞こえていないのか話を続ける。
鋼「俺が打った刀だ」
炭「お茶を入れますよ」
その後も中に入るように声をかけるが全く反応しない。
すると突然顔を上げた鋼鐡塚さん。その顔にはひょっとこのお面が着けてあった。
貴方「…ふっ……くふふふっ………」
ひょっとこのお面を見てツボってしまったA。炭治郎と鋼鐡塚さんが何か話しているけれど、それどころではない。笑いを堪えようとしたせいでなんとも不気味な笑いになってしまった。
不意打ちでひょっとこはヤバイ。
ようやく笑いが収まってきたとき、鋼鐡塚さん達が家の中に入っていった。ようやく話を聞いてくれたのか。
私も後から中に入る。すでに炭治郎は刀を受け取っていた。
鋼「日輪刀は別名色変わりの刀と言ってなぁ、持ち主によって色が変わるのさぁ」
炭「おおっ」
ズズズと色が変わり、刀は真っ黒になった。
黒く変わった炭治郎の刀を見て鋼鐡塚さんは暴れる。炭治郎が年齢を尋ねると三十七と答えた。
炭治郎を助けるのも兼ねて私の刀はどれなのか尋ねる。
鋼「お前の刀はこれだよ!!」
ヤケになって私に刀を押し付けてきた。二つも。
一つは普通の刀でもう一つは小刀だった。初めに小刀の方を抜くと透明感のある水色に変わった。いつか見た冨岡さんの色の様な。
鱗「ほう、水色か…綺麗だな」
貴方「そうですね。こんな綺麗な色になるとは思ってませんでした」
鋼鐡塚さんは未だキーキー叫びながら炭治郎につっかかっている。
そしてもう一本の刀を手に取る。こちらも水色だろうなと思いながら刀を抜いた。
するとそれは水色ではなく赤く染まっていく。それに気づいたのか、鋼鐡塚さんは炭治郎から離れてこちらに近づいてくる。
鋼「赤くなるのはこっちの方だったのか…!!」
そう喜んでいたのも束の間、その刀は少し黒くなっていく。たちまち刀は、赤というより赤茶色のような色になった。
貴方「……、何か……微妙な色」
鋼鐡塚さんは叫ぶ気力も無くなったのか、うつむいているだけだった。よかった。
「カァァ竈門炭治郎ォ北西ノ町ヘ向カェェ!!鬼狩リトシテノォ最初ノ仕事デアル!!」
突然、炭治郎の鴉がそう叫んだ。
592人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜百合 | 作成日時:2017年12月1日 21時