【スタマイ】捜査一課の女神様 (ページ30)

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「お、お前だってどういった経緯か知らんが犯罪者の娘の癖に警察官なんぞやっているではないか！」

「？私は犯罪者の娘じゃないからここで警察官の肩書きを持って座っているのだけれど。調べてみればいいとも」

「や、やはり思い違いだったか」

「昔会った女の子と私は同一人物だよ。証明できるもの……ＤＮＡ配列でも見せたらいいのかな。でも万が一、億が一でも他人と合致する場合があるから、あぁ、貴方が居た研究所の棚に会った薬品を右上から言っていくなんてどうかな」

と男の返事を聞かないで薬品名をスラスラ唱えていく。

「も、もういい！！だったら余計におかしいだろう！お前の親は逮捕されてから警察病院で死亡したんだぞ！」

「その3日後に無罪だと警察の偉い人達に証明した。もちろん、公表と、謝罪は拒否したので記録が変わっただけで何も変わらないけどね」

だから、私は正当な警察官ですよ。と笑う。

「謝罪を……拒否だと……？」

「向こうの自己満足にどうして私が付き合わないといけないのか理解に苦しむね。こちらは何も帰ってこないのに」

しかし、とAは飲むこともなく湯呑を傾ける。

「真実を確認できたからなんだという話なんだよね。こうやって対面して何か変わるかと期待したけど何も変わらない。どうやら私は思ったより非道な人間だったみたいだ」

ふと、湯呑が奪われたと思うと頭に何かが振りかかった。

Aは目線だけ服部に向けた。

服部の手は先ほどまでAが持っていた湯呑を逆さまにしていた。

「自分を殺すのはやめなさいと何度も言っているはずだけど」

「殺してるつもりはないんだよ。ただ、何も沸かないから、親を亡くした事実を知って仇が目の前にいるのに何も沸いてこないから」

「時間を置くのも一つの手じゃないの。薬の薬効だってそうだろう。詰め込みすぎて消化不良でも起こしたんでないの」

Aは呆けていた。

言葉の意味も分かる。ただ、何を言われているか分からなかった。

周りから言葉を投げかけられるが理解ができなかった。

「お前さんは気を遣いすぎなんだよ。マトリちゃんを寝かせたのだって泣かれると思ったからでしょ？」

「泣かれるとは思ったけど」

「それ以上はない？今はそれでいい。休みをあげるから一人でゆっくりと消化しんさい」