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結構大々的なものだったため打ち上げ?もいいお店だった。
そこにAの姿はない。
「Aさんお酒の席とかあまり来ないんだよね」
と菅野の視線が服部に向く。
仕方ないと服部がスマホでなにやら話し込んでる。
「来るって」
「お、凄いですね。なんて呼んだんですか?」
「マトリちゃんを置いて行くように指示を出したんだからその後の報告等をする必要性があるだろうとね」
そうでもしないとこないですよね、と菅野が笑う。
15分後ぐらいにAが来る。
そして出来上がってる面々をみて凄く嫌そうな顔をする。
「ほれ、こっちにきんしゃい」
と服部は隣の空いている座布団を叩く。
後ろに菅野が立つ。
「まさか、俺を投げて逃げたりとかしないですよね」
とキラキラな笑顔を向ける。
盛大に溜息をついて服部の指定した座布団に座る。
知っているとは思うけどと軽く事後報告を泉にした。
「あの、ここまでしてもらって不思議なんですけどどうしてもスタンドに入っていただけないんでしょうか」
「無理」
即答である。
「考える余地とか」
「私が警察を辞めてからなら入っても良いよ」
という台詞に辺りが静かになる。
服部だけ静かに酒を飲んでいる。
「辞める、わけじゃないですよね」
「さぁ。世の中何があるか分からないから」
いつの間にか注がれていた酒を飲んで微笑みを浮かべる。
「ただ、今回や前回みたいに一課の誰かが欠けるかもしれない事態が起きたら遠慮なく手は出すから」
「え、そんなことになっているんですか?」
「引き抜きとか色々あるからね。望んでとかだったら別だけど。ほら、服部班って優秀だから皆欲しがるしできればくっつかれたくないんだよ。眼鏡にかなわないなら左遷とかあり得るし」
「そう、だったんですね」
「そうなんだよ。今回と前回は上の人間も関わってたし」
「あの、直感聞いてもらってもいいですか?」
Aは笑みを深める。
「君の直感はあたるから良いよ」
「警察、嫌いですか?」
「語弊がある言い方だけど正解だね。好きになる理由がない」
「なんで、警察に」
「八つ当たりと暇つぶし」
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作者名:弥生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hakuoukiyayoi http://
作成日時:2022年4月22日 0時