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よんほんめ ページ5



「……」

「えーと…」

今、非常に中島は頭を悩ませていた。
少女――白の名前を決めた後、太宰は部屋を出て行ってしまった。
中島に後はよろしく。と言い残して。
生憎、今日の探偵社には中島以外、非番と任務で出払っているので中島以外の姿はない。

白は何もしゃべらなかった。それどころかボロボロの姿であるはずなのに疲れたような素振り一つせず唯々、ソファに座っているだけだった。


「何か、、お腹とか空いてない?」


何か話題は無いかと白のやせ細った体を見て思ったことを中島はきいた。

彼女は首を横に振る。一瞬で話題が尽きてしまった。

すると中島はそう言えば、、と中島は彼女が此処に来てから疑問に思っていたことを聞く


「白…ちゃんはどうして探偵社に来たの?」

「…」

中島の質問に白は無言のままだったが、ゆっくりと口を開いた。

「探して、欲しい。」

「え?」

声は小さかったが、異能力で特化した中島の聴力はその声を逃さなかった。


「何を、探しているの?」

「…ある、人物。でもその前、に家を探して、ほしい。」


ぽつぽつと話す白は何も感情を示さず、何を目的に探しているのか分からなかった。

「家?」

中島の返答に白は頷く。


「そこ、に私の探してる人物が、いる。」

「なんで探してるの?」

「助けて、ほしいから。彼女、にはもう、時間が無い、から。」


何時の間にか、彼女の瞳から涙が流れていた。
中島はそんな彼女の事を見て一瞬、驚き、慌てるがその姿に昔の自分が重なる。
中島は彼女の頭を優しく撫でた。
ビク、と彼女の身体が揺れるのが分かった。が、白はよく分からないというように中島の顔を見上げる。


「大丈夫。僕たちが君の探し物を見つけてあげる。」

「いい、の…?」

「うん…って言っても、僕一人の判断じゃちょっと難しいけど。」

「あり、がとう」


白はそういうと何かが切れた様に中島に凭れ掛かった。


「あれ…寝ちゃった?」

中島の胸の中で小さく息をしながら、白は眠っていた。





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リミッター - リンゴパイさん» そうだったり、そうではなかったり………。まぁ最後にネタバレしますので( ̄b ̄)シーッ!ですよ!更新遅れてすみません (2018年2月13日 1時) (レス) id: 9fd12a0005 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴパイ(プロフ) - ネタバレになっちゃったらすみません・・・あの、タイトルの「クレヨン」ってもしかして都市伝説のあの話と関係ありますか? (2017年12月30日 22時) (レス) id: 9d3c52a380 (このIDを非表示/違反報告)
リミッター(プロフ) - 恋してるさん» わぁぁぁっお褒め頂きありがとうございます!!更新は気紛れですが、気長に待ってくれると嬉しいです(*^^*)やる気が出てくるコメントを有難うございました! (2017年11月22日 0時) (レス) id: b30cf0e1ca (このIDを非表示/違反報告)
恋してる(プロフ) - 凄く素敵な文章で、話も私好みなのでこの作品好きなりました!更新頑張ってください!待ってます。 (2017年11月20日 0時) (レス) id: c36e1fb932 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リミッター x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年7月27日 18時

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