じゅう。 ページ11
10.瑞希side
「先輩、すいません...」
「いや、焦ったけど何もなくて良かったよ、ほんと」
「えっと、昔私両親とも事故で亡くしてて
二人とも、親戚の法事に行ってくるから、って
私は、家にいたんですけど、
そのまま一人で待ってても、親帰ってこなくて。
それがあってから一人で長い時間家にいると過呼吸になるようになっちゃって
普段はおばちゃんがいてくれるか、友達とか悠真と一緒か、学校に残るようにしてたんですけど
今日たまたま悠真は補習だって言ってて、おばあちゃんも遅くなるって言ってたの忘れてて、」
「そっか...」
「家近くて呼べる人が悠真と先輩しかいなくて、悠真とは今ちょっと話しづらい、ので...
迷惑かけて、ごめんなさい、」
「心配はしたけど、迷惑とかじゃないよ、大丈夫」
「あの、おばあちゃん帰ってくるまで、いてもらってもいいですか...?」
「Aちゃんがいいなら俺は全然大丈夫だよw
家すぐそこだしねw」
「ありがとございます...!!」
それから俺はAちゃんと20分ぐらい、
テレビを見たりしながら
いろんな話をした、
そのあとは、Aちゃんのおばあちゃんにお礼を言われ、
家に帰っただけだったけど。
今日のことがあって、Aちゃんには悪いし、こんなこと言っちゃいけないとは思うけど。
Aちゃんがああなって、わざわざ俺を呼んでくれたんだと思うと
ちょっと嬉しかった。
他の誰かじゃなくて、嬉しいなって。
こんなことを思ってしまう俺は、
最低だ。
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作者名:佐々羅 夜々 | 作成日時:2018年2月14日 18時