【歌い手】寒い季節に温もりを。【大型コラボ】

12/30 　お試し@茅乃 ページ29

｢Aのことが好き｣
｢えっ…えっ？｣
｢Aは、俺のこと嫌い？｣

友人だと思っていたくーらーから、突然告白された。

進んでいく話にも、全くついていけない。
私がそんなことを考えているとは知らないくーらーは、話を進める。

嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけど、恋愛的な“好き”はない。
必死に頭を働かせ、出した一つの“打開策”

それは____


「分かんない。自分でもよく分からない。だから…お試し、しない？」
「お試し？」
「そ。試しに付き合って、ダメなら友達のまま。良かったら、恋人になる。どう？」
「…なんか、うまーく逃げられた感じがしなくもないけど」

そう言いながら、くーらーは薄く笑みを浮かべた。私もとりあえず、笑みを返しておく。


「じゃあ、交渉成立ね！！」
「分かったよ。あ、キスは良いの？それ以上のことは？」
「両方良いわけないし」


そんなわけで、私達は‘‘お試し’’をすることになった。


＊

＊

＊


「恋人らしいことしたい！」
「本当の恋人が出来たらやれば？」
「まあ、そりゃそうなんだけどさ。俺はAとが良いの。ダメ？」


うわっ、何故上目遣い！？待って。私より女子力高い気がするんだけど待って！？

私はくーらーの上目遣いにやられて、


「…仕方ない、行ってあげる」
「本当に？」
「本当」
「じゃあ人気のデートスポット調べとく！」
「は！？デート！？」


デートに行くことを了承してしまった。

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