@しろひつじ ページ24
単純だな、本当。
頭では分かっているのに昔から直らない。
まあいいか。
私は携帯電話を置いて立ち上がった。早く夜ご飯、盛りつけないと。
「ただいま」
玄関のドアが開く音がしたのはその十分後。私は盛りつけを終えて空になった鍋に入れていた水を止め、キッチンを出た。
「お帰り、りぶ。お疲れ様」
「ありがと。今日ご飯何?」
「今日はね、ハンバーグとコンソメスープ」
「やった、俺の好きなもんばっかり」
彼が喜んでいるのをみると元気をもらえる。
手作りハンバーグ、頑張って良かったな。
「食べよっか」
「ん。いただきます」
「いただきまーす」
着替えてきたりぶが戻ってきてから、一緒に手を合わせた。
「お、今日も美味しい! Aのハンバーグ最高」
「本当? 良かった」
それからりぶの仕事の話を聞いたり、私も今日あったことをりぶに話したり。ひとしきり話し終える頃には食事も食べ終え、私たちはソファに腰掛けた。
そうだ、訊かないといけないことがあった。
「ねえ、理由って? 電話の理由」
「ああ。そんなに期待するようなことじゃないよ?」
「でも気になるでしょ、焦らされたんだから」
まあそうだけどさ、と笑う。分かってるんじゃん。
彼らしいといえばそうなんだけど。
「今日はね、テレホンカードの日なんだって。だから電話で悪戯しちゃおうかな、と」
「そんな日、あるんだ」
てか、悪戯って。
「うん。テレホンカード使って公衆電話で掛けてみようかとも思ったけどそれだと俺だって分かんないから」
「私も、最後で、充分びっくりした……」
「え、何、あんなんじゃ足りなかったって?」
「そんなことひとっことも言ってません!」
ふふ、と彼は綺麗な微笑みを見せた。
綺麗、そう思った瞬間抱き寄せられて。
「愛してるよ」
耳元に、彼の唇。その言葉はとろけそうなほどに甘い。
だけどね、私が負けず嫌いなこと、知ってるでしょ?
「私だって」
私だって、あなたのこと。あなたよりも、きっとずっと。
「愛してる」
**:***:**
こんにちは、しろひつじといいます。
今日はテレホンカードの日なんだそうです。
調べてみるといろいろな記念日があって驚いてしまいます。
というわけで、電話から始まるお話を書かせていただきました。
ほんの少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。
おつきあいありがとうございました。
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マシロ - 更新頑張ってください! (2014年12月2日 21時) (レス) id: 59f4dd536f (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - 1コメがとれているはず((初っ端からかっこかわいいりょーくんさんきてのけぞってます、毎日楽しみにさせていただきます…!! (2014年12月1日 22時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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