12/15□■天真爛漫≒少女ロマンチスト■□@宇宙音 ページ11
「――そらる!!」
その声は、静かな冬の夜に響き渡った。
一般的に幼馴染みと呼ばれる――いわば腐れ縁のような関係の彼女は、どうもかなり子供じみた、空気の読めない奴らしい。
今だってそうだ。
俺が来週の講義までに読まなくちゃならない教養本に目を通していたら、いきなりベランダから身を 乗り出して大声で呼びつける。
……頼むからLINEとかで話してくれないかな、なんて。
そんなことを直接アイツに言ったって、意味がないに決まっている。どうせ"えー"だのなんだので、" 直接言った方が早い"などと言うのだろう。
それがアイツ、Aという人間だ。
……ただし、近所迷惑になりかねない行為だということに関してはいただけない。
「……質問です」
「はい！なんですか！」
「……時間を考えましたか？」
「え？今何時？」
"ひぎゃあもう12時じゃん!?"なんて声が、換気のためわずかに開かれた窓の隙間から聞こえてきて、思わず笑みを漏らす。
……気付いてなかったのか。もう空は星屑の海になっているというのに。
都市機能の分散云々で、最近少し過密感が薄れてきているこの辺りは、以前に比べてかなり暗さに磨きがかかっているようなのだ。――場所によっては依然として、電気による人工の明るさが溢れるところだって残っているのだが――
「……ま、いいや。好都合だし」
「いや何する気なの」
そう問うと、"よくぞ聞いてくれた"とばかりに、自信ありげな笑みを見せるA。
……あ、やばい。
これってもしかして、フラグなんじゃ――
「――天体観測しに行こう!!」
はいフラグでした。
なんなのこの子？ 頭おかしいの？
何が楽しくてこの寒い中そんなことしなくちゃならないんだ。今こうして数cm窓を開けてるのもつらいくらいなんだぞ。
そんな俺のテンションとは反比例して、彼女のテンションは上昇していく一方。
ばっちり立ってしまった"振り回されるフラグ"と彼女(の声)は、大人しくなることを知らずにめきめきと大きくなっていく。
畜生、行きたくねえ。
心ではそう思っているというのに、何故かその意思に反して準備を進めてしまう俺の体は一体どうなっているのやら。
……良くも悪くも、彼女にはそれだけの影響力があるということなのだろうか。
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マシロ - 更新頑張ってください！ (2014年12月2日 21時) (
レス) id: 59f4dd536f (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(３人目)＠ついった(プロフ) - １コメがとれているはず((初っ端からかっこかわいいりょーくんさんきてのけぞってます、毎日楽しみにさせていただきます…!! (2014年12月1日 22時) (レス) id: 1b9f958ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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