《魔入間》参りましょうMyGirl！4

138.5:少女、中継 ページ9

時は遡り、12月31日朝9時。
サリバン邸から馬車を1時間ほど走らせたところで、キャリーケースを引き連れた入間とA、その見送りに立つサリバンとオペラの姿があった。

「『いってきます！』」
「月越し一緒に出来ないのは寂しいけど…オトモダチのピンチなら仕方ないね！頑張ってね！」
「何か起きる前に、すぐに喚んでくださいね」
『ありがとう。オペラさん、おじいちゃんっ』
「それと！」
『今日は絶対に！』
「『絶対にテレビ見ないでください！！』」
『本当！フリじゃないので！』
「駄目ですよ！絶対ですよ！」
「ハーイ！いってらっしゃ〜い！

……

―――――さて。」

2人の背中が見えなくなり、家に戻るとサリバンは流れるような手つきでリモコンの電源を押した。

「ダメって言われるとねぇ」
「悪魔は面白いことが大好きですからね」

しっかりとティーセットを用意しソファに並んで腰かけた、その瞬間。


「なんと謎のアクドル、イルミちゃんと！
―――新人アクドルのイヴちゃんも参戦です！！」

2人仲良く…手でハートを作る孫と姪の姿が映った。

「「？！？！」」
「なななな入間くんとAちゃん？！オペっ、オペラ！録画！！」
「してます！」
「画質もっといいテレビ買ってきてッ！」
「はいっ！」

▷▶︎▷

「燃やす」

そして此処でも、テレビの前でもうひとり。

「Aちに…！ぶぶ、ぶ…ッ…？！」

否、ふたり。

「Aち可愛いよね？！Aちもイヴちも可愛いよね？！」
「当たり前だッ！花より可憐で青星より輝く赤月より美しい女性だ！！それをこの…ッ！」

魔苦針ドームの縁で大武闘会を見ていた2人の視界に、突然飛び込んだ新人アクドルイヴ。それは普段では絶対に想像できない格好の…けれど確実にAだと思われる少女だった。

「あﾞーッ！Aち頑張って！やだやだ負けないで！」
「カメラもっと寄れ！！そっちは映さんでいいッ、Aだけを撮れ！」
「わきゃーっ！Aち凄い！かっこいい！ガブってしたぁ！」
「なんっ…なんだその表情？！天才か？！天性のアクドルか？！画角最高では？！」

ギャリーへの怒りもぶつけつつ、イルミとイヴの活躍に興奮する2人と、それを見守る

「アリスちゃんの色んな表情が見れて、アムちゃん嬉しいっ」
「アリス様がただのアクドルオタクになっておられますな」
「素敵な恋とオトモダチのおかげねぇ…。それはそうと。イヴちゃんてコ、ぱっくんしたいわぁ♡」
「「ダメですッ！」」

139:教師、発覚→←138:少女、引分

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す