136:少女、強敵 ページ6
「―――いける?イヴさん。」
『うん!メリーさんにいっぱい頑張ってもらっちゃったし、私も勝ってくるね』
心配そうなくろむちゃんとメリーさんの眼差し。
それらに私は、特訓した笑顔を送ってみせた。
『大丈夫。
―――捕まえるの得意だから!』
▷▶︎▷
「さあ!続いての競技はファン大歓喜!押して引いて絡めあっての、しっぽ綱引きです!」
控え席でトーナメント表を見たアメリは、思わず用紙をぐしゃりと歪めた。
「なっ…この競技、男女混合なのか?!イヴの対戦相手男だぞ?!」
「イヴさんの体格差じゃ力以前の問題じゃない…!」
「…大丈夫です」
イルミは、前を向きはっきりとした足で試合会場に向かったAの背を想う。
「Aが笑ってたから…勝ってくるって断言したから。…信じましょう!」
それは誇らしくて、寂しい気分だった。
▷▶︎▷
『…よしっ』
砂場に設置された2つの足場のうち1つに飛び乗る。マーチ先生の言う通り、ハンドガブの手入れを忘れずにしておいてよかった。試しに上下左右に動かしてみる。…うん。大丈夫そう。
開始5秒前の合図が始まった。
「やあ!君が僕の相手だね、子悪魔ちゃん?」
『よろしくお願いしますっ』
「フフ。こんなに可憐な子悪魔ちゃんを砂の上に落とすなんて胸が痛むけど…優しく包み込ん、で、」
宙に上げられた男性アクドルさんと逆さまに目が合い
「―――え?」
数秒後、砂埃が視界を隠した。
「しゅ…瞬殺ーーーッ?!チームデビムス、イヴちゃん!圧倒的体格差のビーバ選手を瞬殺!!
ゴンテツさんが昇天しています!戻ってこい!」
「ずぎッ…!」
魔力の出力はそのままに、ハンドガブを尾の形に形態変化させておいた。先端がくるんと円になったそれが元は手錠だと誰が思うだろう。
捉えて、捕らえて。相手のしっぽに
『―――ガブッ。』
噛みついていく。
「強い強い強い強い!!イヴちゃん、1歩も動かずに次々と相手選手を薙ぎ払っていきます!!」
「しかも痛くないよう直前に優しく落としていってますね。優しさとしっぽの強さのギャップが堪りません落としてほしい、いやもう落ちてますけど」
「ゴンテツさんガチ惚れです!!」
「今すぐファンクラブ入りたい゙ッ」
人数が減って気づいた。余裕の笑みを浮かべたまま仁王立ちする、決勝戦の相手。
「よお。調子乗ってんじゃねーか、…ブスイヴ!」
『……。』
「これはっ…!
イヴちゃんとギャリーちゃんの一騎打ちだーーーッ!」
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます!このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね!キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…!(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ!うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……! (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが!←語彙力よ 続きも楽しみにしてます! (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜雨 | 作成日時:2021年7月3日 18時