169:少女、師弟 ページ49
恐がりで気にしいで、己への自信がまるでない。
けれど視線から隠れるみたく伏せられた瞳は、一度相手を見定めると穏やかに射抜く。
彼女の大切なものになってしまえば…なれたなら。蜜のように甘く毒のように蝕む、優しさという愛が与えられた。
「我が弟子ながら惚れ惚れするね」
録画された番組の再生を止める。
ステージ上で挑発的に笑んだ唇から発せられるは、かわいいワガママであり”服従の命令”。
収穫祭の比ではない。あの時Aの力を目にしたのは直接関わった者やリタイアテントにいた者、モニター前にいた教師陣くらいだが
「クロケルさんと姉さんには感謝しなくちゃ」
全魔界生中継。いったい何万の悪魔があの子に魅了されてくれたのか。想像すればゾクゾクと翼の付け根が震えた。
…あの瞬間、
彼女は傲慢にも強欲にも勝る―――――”征服者”だった。
丁寧に梱包した小箱を指でつつく。
これを受け取った君はどんな表情を魅せてくれるだろう？警戒した顔？戸惑った顔？…いや。
きっと、君なら
▷▶︎▷
『え…マーチ先生、これっ』
「喜んでくれたようで何より。」
渡したいものがあると拷問学室に呼ばれ、ドアを開けた途端差し出された
『絶版になった工芸学の本！』
「前に興味持ってたから。最近よりいっそう魔具開発に熱心でしょ」
『で、でもどうやって…』
「一応、工芸の家系だし、芸能界に顔が利く姉もいるしね。大武闘会…凄く感謝してたよ。だからこれは姉からのお礼も兼ねて。」
『ぁ…ありがとうございます…！いっぱい勉強しますっ！』
「うん。よかった」
『ふふふっ…また新作の実験かと思ってました』
「普段付き合うのが嫌みたいに聞こえるけど」
『まあ、もすこし控えてほしいとは』
「だぁめ。」
先生が頭を撫でつける。以前された時のように、その手に頭を押し付けた。
「ふは、」
『だ、だって…頑張りましたもん…』
「いい欲だよ。じゃあ大サービス」
『んわぁあ！？』
「かわいいかわいい。」
『もうっ髪ぐちゃぐちゃ…』
「…本当に。
かわいいね、Aは」
乱れた髪の向こうで先生が微笑む
『…マーチ…せん「そんなAにはこれも贈呈しよう」…い？』
頭の上に硬い感触。落とさないよう手を伸ばし、促され蓋を開けると
『―――…！！』
触れることを躊躇う艶やかな黒革。悪魔の羽をモチーフしたカバーには、精緻な刺繍に囲まれたトップが薄紫色に煌めくボタン。
「どう？マルバス・マーチ特製―――
ハンドカフケースは。」
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kanayamamoto112(プロフ) - 参りましょうmyGirl4でのカルエゴ先生がヒロインちゃんにアクドル大運動会で着てた衣装を着せて王の教室にある部屋の1つ仮眠室のベットで押し倒して大胆な事をしてたシーンはドキドキしました。 (2022年10月11日 13時) (
レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます！このカルエゴ先生を見れるのは彼女の特権ですね！キャラ崩壊しすぎないよう先生には気をつけてもらわねば…！(ブーメラン) (2021年8月16日 15時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
夜雨(プロフ) - ルカさん» ご名答ですッ！うちのカルエゴ先生は拗らせに拗らせてるのでいつか爆発させるときをそれはもうにやにやしながら進めています…やばいこと…されましょうね……！ (2021年8月16日 10時) (レス) id: d267c079da (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - カルエゴ先生いつもは「厳粛」なのに最近は何か少し可愛い感じが！←語彙力よ 続きも楽しみにしてます！ (2021年8月15日 8時) (レス) id: d16705dd13 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - キスから見るにカルエゴ先生いろいろ拗らせてそうですごくイイ。爆発したら夢主ちゃんヤバイ事になりそうだけどすごく楽しみです (2021年8月14日 17時) (レス) id: 560b2d19f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2021年7月3日 18時
