《魔入間》参りましょうMyGirl！4

146:少女、調教 ページ18

『も、もう本当に…！ゆるして、くださｯ…！』
「駄目だ。もう一度最初からやってみろ」
『ゃ…先生っ、む、むりｯ…です…！だって、こんなっ…！


こんな恥ずかしいの！無理ですーーーッ！！』

玉座…ではなく椅子に頬杖をつき静観するカルエゴ先生。そしてその目の前で、昨日と同じ衣装を着て新人アクドルイヴを演じる私。

地獄絵図だった。

「早くやらんか。最初の入場からだ。ポーズが違うだろ」
『悪魔ぁーーｯ！』

すっごい恥ずかしい。帰りたい。もう本当に、本当にイヤだ…！

「ハッ。あれだけの観客の前で全魔界生放送をやり切ったんだ。俺1人どうってことないだろうが」
『カルエゴ先生の前はそれを上回るんですッ！』
「喧しいぞ。ほら次は準備体操だ」
『他のことならなんでもしますからお願いですからこれだけは！これだけは！！心が保ちません！！』

両腕で体を庇いながら床にへたり込む。カルエゴ先生は短く息を吐いて椅子から立ち上がり、

「A…。
そんなに嫌なら…わかった。」
『…！！
せ、せんせ「先にライブの方をやらせてやる」何も解決してない！？』

なんでトランペットまで用意してあるの？！

「A。俺は厳粛な男だからな。
恋人が勝手に布っきれみたいな衣装で大衆の前で笑顔を振りまきながら女装した男と一緒にアクドルをやろうが男のアクドルに言い寄られようが同級生の女子やライバルだった女に結婚宣言をされようが女装した男に俺のもの発言をされようが、三つ巴などと低俗な表現をされようが、俺すら見た事のないような表情でいきなりトランペットを披露しようが。
会場には乗り込まないでやったんだ。粛にな。」
『(ひ、一息で…！？)』
「あそこからお前を攫うことだってできたが…きっとお前がクロケルの為にまた巻き込まれてやったんだろうと我慢した。自制した。」
『ぁ、ぁゎ…』

じり。と先生の圧から後退る。背中がぶつかった物を横目で確認する余裕もなく、ここがどこであったかを考えた。

王の教室の、―――――仮眠室。

「まったく腹が立つ…俺でさえまともに触れたことの無い、お前のこの肌を、愛嬌を。どうして他の奴らに見られなきゃならんのだ」
『っ…！か、カルエゴ、せんせっ…』

先生の指先が臍の周りをつう、と撫でた。ぞくり、身体が震える。

「俺は言っておいたぞ。

覚悟は出来ているだろうな、…と。」

愉しそうに、けれど依然として怒りを滲ませたまま。
カルエゴ先生は私を、後ろのベッドへ優しく押し倒した。

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