【魔入間】A組のプリン(セ)ス【男主】

39.変わらない君 ページ40

ふにふにと唇を弄ぶソイから反射的に逃げるように後退る。


ばくばくと心臓が早鐘を打ってる。


頭がぐらぐら音立てて沸騰しそうなぐらいぐるぐる。


恥ずかしさから前髪をぐしゃぐしゃに崩して顔を隠そうと試みるけど、全然長さが足りない。


そんな俺を見ながらソイは昔と変わらないニヤけ顔でこっちを見てる。


『な、なにニヤニヤしてんの･･･！』


ソイ｢いや、ニヤニヤじゃなくてニコニコなんだけど･･･｣


意図せずダメージを受けたソイは目を一瞬不機嫌そうに細めて、またさっきのニヤけ顔に戻る。


『マジでなんで俺見てニヤニヤすんの･･･怖･･･』


ソイ｢いや、昔から変わんないなって。初めて会った日もそれしてた｣


『それ言ったらソイも初めて会った時から口説いてきた』


ソイ｢いや口説いてないから｣


『ソイに口説かれたからこんなになったのに責任取ってくれないの？』


こてんとあざとく首を傾げるとあからさまに目を逸らす。


単純で可愛いヤツ。愛おしいな。


ソイ｢口説いたかもしれないから責任取る｣


手のひらをくるくる返すソイに吹き出すと抗議の声が降ってくる。






でもあの時、君の言葉で救われたのはホントだよ。


だから、こんなに可愛くなれたんだよ。


ぼそぼそ未だ抗議を続けるソイを横目に昔の俺らに思いを馳せる。




そう、まだ”可愛くなれなかった、意気地なしの僕”の頃のお話。

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