【魔入間】A組のプリン(セ)ス【男主】

33.ひめ　には　こうかが　ない　ようだ・・・　▽ ページ34

【side:ジャズ】


最悪。


その一言しか浮かばなかった。

絶対オレの黒歴史暴露される。

そしたら引かれて終わりだ。

普通の兄貴ならそんなことはしないと思う。

でもオレの兄貴だ、やりかねない。

そんなことを頭でぐるぐる繰り返しているうちにあいつはとんでも無いことを言い出す。

『もしかして、もしかしてなんだけど、お前、ジャズの兄貴？』


バレた終わった何もかも終わった。

奴(アニキ)はニヤニヤいやーな笑いを浮かべながら肩をすくめた。

ロック｢さぁ？なんでそー思った？｣

『黒髪だし、耳尖ってるし･･･それにね？』

そういうとオレと兄貴を見比べてふふんと自慢げに鼻を鳴らした。

『垂れ目であんまり光が入ってない癖に優しい目してる！』


思わず兄貴と顔見合わせて吹き出した。

『ちょ、な、何！？変なこと言って無いんだけど！？』

ぷっと頬を膨らましてアピールするA。

その頬を潰すように両手でAの顔を包み込む兄貴。

ぷしゅ、とAの口から間抜けな音を立てて外に出て行く空気。

ロック｢なぁボウズ、俺様とお前は似てると思うか？｣

ジャズ｢いや、全然。オレのがかっこいいし｣

ロック｢鏡見てから言えやガキ。まぁ似てないって点には賛成だけどな｣

ジャズ｢おもしれーだろ、ソイツ｣

ロック｢おー、ボウズにしてはいいガールフレンドなんじゃねーの？｣

しまった、と思った時にはもう遅かった。

鮮やかな右ストレートが恐らく地雷と思われるワードを的確に踏み抜いた兄貴の鳩尾にヒット。

突然の痛みに蹲る兄貴を無理矢理立たせて胸ぐらを掴み、一言。

『･･･誰が、ガールフレンドだって･･･？』

めちゃくちゃいい気味だったけど、遠回しにそこまで仲良くないって言われてるみたいでちょっと泣ける。

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