【魔入間】A組のプリン(セ)ス【男主】

31.正面小蛇、横大蛇。 ページ32

※だいぶジャジーがゾッコン.軽めの薔薇表現＜有＞


【side:ジャズ】


鼻のすぐ先でクスクス笑うソイツに心を一瞬で撃ち抜かれる。


元々撃ち抜かれてたのかもしれないけど、とにかくその時、世界が止まった気がした。


心臓が焼けるみたいにビリビリ熱くなって


息をするけど、その度溺れてくみたいに苦しくなって


これが “支配„ ってやつなんだって思った。


どうすることも出来なくて、目をつむる。


そうでもしないと、もしかしたら目にハートマークが浮かんでるかも！


そんなことないけど、そんな気がしたぐらい体が熱くなった。


不意に手を引かれて起こされる。


目を瞑ったままの俺の唇に柔らかい物が触れる。


溺れていた意識が覚醒する。


バッと目を開けると人さし指を立てて悪戯っ子みたいに笑う彼。


恥ずかしくって唇を強めに擦る。


唇がヒリヒリしてきた頃に、奴は口を開く。


『俺、A。アンタは？』


ジャズ「じ、ジャズ…」


アイツは聞いてきた癖にもう爪をいじって興味無さそうに相槌を打つ。


なんだコイツマジで。


ムッとしてると、あいつはまた俺の近くに来て正面に座る。


ジャズ「な、なんだよ」


『ジャズ、うんジャズ。ねぇ宜しくねジャズ』


満足げに何回も頷くAにもう来ないなんて言えなくて。


ただ、その夕陽に照らされるお前の顔が綺麗で。


俺は微笑みを称えて頷いた。


ジャズ「A」


『なに？ふふ、ジャーズ』


ジャズ「…Aっ」


『はいはーい、なんでしょ』


???「A」


『は……い？』


キャッチボールが止まる。


二人が見つめあう横から、大蛇が現れやがったからだ。

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