49話 ページ9
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耳元で呟かれて、頭はもうオーバーヒートしそうだった。
どうやって逃げようか考えているうちに、
彼はいつの間にか湯船に入ってきて私を後ろから抱きしめてくる。
こうなってしまったら、逃げる術も追い出す術も無いだろう。
「んー、やっぱり生で触るのは違うね、柔らかさが」
『なっ、離して!』
…こんな状況でも全くブレない彼が羨ましい。
・
なんてのは勘違いだったようで、
「…ごめん、俺ちょっと余裕無いかも」
急に神威の雰囲気が変わったと思えば、端の方に押し付けられて深くキスされた。
卑猥な水音が大きく響いていつもより反応してしまう。
離れさせようにも力が強すぎてピクリとも動かなくて、
どんどん体の力が抜けていくばかりだ。
『ん、……かむ、い…』
薄く目を開けてみると、もう彼の目はとろんとしていて、
「あ、これヤバいやつだ」って直感的に感じ取れた。
でも、自分の体もお風呂のせいか神威のせいなのかだいぶ熱くなっていて、
初めてはベッドの上が良かったなぁとか、
明日仕事なんだよなぁとか、
結局諦めモードに入ってしまう。
(あれ?…何か視界が……)
いつの間にか神威がいっぱいに映っていた視界がだんだん暗くなって、
気付けばうすく開いていた目も開けられなくなってしまった。
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『はっ!』
いきなり視界に入ってきたのは見慣れた天井と愛用の抱き枕。
さっきまで風呂にいたはずなのにちゃんと服が着せられ、丁寧に抱き枕まで抱かされている。
(私、もしかしてのぼせて倒れた…?)
「あ、起きた。だいじょーぶ?」
『ん、大丈夫……
って、それ私のアイス!』
「勝手にのぼせて生殺しにしたお詫びってことで」
『のぼせたのは神威のせいでしょ!』
そもそも風呂で襲おうとするのもおかしい。
私のアイスを返せ。
『あれ?待って…………裸見た?』
「見た。だから生殺しだって言っただろ。」
『変態!バ神威!そこは見てないって言えよ!』
いろいろ腹が立ったので神威の部屋の冷蔵庫から大量のバーゲンダッシュアイスを盗んでやった。
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もへじ(プロフ) - さざんかさん» そう思っていただければ嬉しい限りです。綺麗な形で終わりは迎えられませんでしたが、最後まで読んでくれて、こちらこそありがとうございました! (3月27日 21時) (レス) id: e33c6b9410 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - お気持ちに共感します🥲虚無感のようなものを抱いた作家は、何も言わずに幕を閉じることが多いのに、あなた様は我々読者を慮って下さった🥲✨️本当にありがとう!あなた様はまさしく、神作家だ🥰ときめく話と幸せをありがとう! (3月27日 15時) (レス) @page44 id: 0d4c90c531 (このIDを非表示/違反報告)
もへじ(プロフ) - Seleneさん» コメントありがとうございます。そうですね、体調崩さない程度に頑張ります! (2022年8月24日 17時) (レス) id: da658d90ee (このIDを非表示/違反報告)
Selene(プロフ) - お星様が足りません!お体に気をつけてください!待ってます (2022年8月21日 1時) (レス) @page42 id: 447a5b673e (このIDを非表示/違反報告)
もへじ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます!この作品をそんな風に思っていただいて本当に光栄です。これからも応援よろしくお願いします!返信遅れて申し訳ありませんm(_ _)m (2022年3月6日 8時) (レス) id: 89a3943bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もへじ | 作成日時:2020年8月5日 12時