団長、そろそろ通報していいですか？

36話 ページ39

........もう、迷いは無い。




母｢何で戻ってきたかは知らないけど、

分かったらさっさと帰りなさいよ。


私は忙し........！？｣







母の横腹に、ピックと注射を合わせたようなものを刺した。




『それ、毒が入ってるから、3分後に死ぬよ』





この殺し方が、一番苦しむ。

猛毒が3分間体を駆け巡って、気が狂うほどの激痛が全身を襲う。



死ぬか死なないかのギリギリの所で。



その後、心臓に到達して血も出さずに死んでいく。


私が知っている中で、最強の毒殺だ。






何でこれを選んだかは分からない。



一発で首を飛ばしてしまえば家の中にいる男にもバレずに帰れたのに。







襲いかかってくる男をさっきとは違う武器で殺し、


(…ごめんね)


唯一の弟の心臓にそっとナイフを突き立てた。







辺りは血の海で、悲痛な叫びが木霊している。




そんな地獄絵図の中なのに、





人生で一番生きてるって実感した。




自分より強い存在を超えたから。

小さい時ずっと憧れていた人だったから。



理性はこの感情を否定したが、本能は肯定した。








(もうすぐ3分かな.....)



そこらに転がる死体と苦しむ母を置いて、ドアの方へ向かった時、









｢........みち、づれに.....してやる........！｣

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