団長、そろそろ通報していいですか？

18話 ページ20

｢よしっ、終わった！｣


少しして、止まらない鼻水と格闘していると、そんな声が聞こえてきた。




｢Aーー！終わったよ！｣


と、満面の笑みで抱きつかれる。


えらいねー、と頭を撫でてやると満足そうに擦り寄ってきた。

本当にえらい。あの団長が仕事を終わらせたのだ。
しかも自分と私の2人分。





『今度、ご飯奢ってあげますね』

と言うと、｢ほんと！？｣と目をきらきらさせていた。

今の団長子供みたいで可愛い。





｢あ、A、今から薬もってこようと思ったんだけ
どなんか食べたいものある？｣

『カツ丼』

｢もうちょっと可愛げのある物頼むかと思った｣





悪かったね可愛げなくて。
でも私は腹減ってるんだよ。





『へぶしっ！』

｢！A、これ着て待ってて｣


くしゃみ一つで過保護じゃないかと思うが、これも団長の優しさなんだろう。

私をマントでくるんで、部屋を出ていってしまった。





(........団長の匂いする)


無意識にマントに顔をうずめていた。









いや、待て待て



何やってんだ私。


変態みたいじゃん。

これじゃ団長と大して変わらないだろ。






最近私変だ。
様子がおかしい。


団長のことになると、やけに心臓がうるさい。






徐々に上がってきた体温を風邪のせいにして認めないふりをした。

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