団長、そろそろ通報していいですか？

16話：風邪 ページ18

ザァァァァ



『ふぅ、掃除完了〜』



周りの敵はひと通り倒したので、辺りを見渡してみると、100メートルほど先で団長が戦っているのが見えた。


加勢しようとも思ったが、恐らく相手は親玉。
邪魔しないようにしながら、何かあった時のためにここで待機することにする。





(それにしても、だいぶ濡れちゃったなぁ........)



今回の戦場はずっと雨が降っている星。

夜兎としては戦いやすい所ではあるのだが、
さっき傘が折れてしまったので濡れるのを防げない。

雨宿りをしようにも大砲やら破壊光線やらでここら一帯は焼け野原である。






(........寒い)


フードを被ってしゃがみ、そこら辺に倒れている奴らの服や武器で雨を避けるがやはり寒さはどうにもならなかった。









｢何やってんの｣



声とともに急に雨が止んだ。いや、団長の傘か。

少しぼーっとしてて気づいたら返り血で真っ赤な団長が目の前にいた。




『団長のこと待ってました』

｢俺のこと大好きなのは分かるけど、無理しないで
よ｣

『違います。何かあった時のために待機してただけで
す。』



すると、いきなり団長に手を引かれ抱きしめられて、


｢体、冷たくなってる｣


そのまま片手で抱きかかえられた。






(あったかい…)


団長のマントに包まれ、体が密着してる状態。


いつもなら吹っ飛ばしているところなのに今は何故かこの体温が心地いい。


気付いたら意識は落ちていた。

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