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4.金と尊厳は取り返せ ページ17



 神威と阿伏兎が去った後、Aは支出の帳簿を読み解いていた。

──秘書(ゴーストライター)だなんて大見得切ったけど、実際はただの入力バイトだったんだよなぁ。

 交渉のために給料アップだの高給取りだの話を盛ったが、江戸ではフォーマットに名前と数字を入力していくだけの簡単なお仕事しかしたことがない。

 経験値はないが、全くの知識ゼロという訳でもなかった。
 Aが実家で読んできた本の中に、帳簿のつけ方や文書の作り方が解説されたものがあった。記憶を手繰り寄せて内容を思い出す。

──どっちにせよ、まずは無駄遣いを見つけて節約できそうなトコを探していくか。

 目下のやることは、シンプル。阿伏兎が食いついた不要な支出を洗い出して、その分を団員の給料に回すことである。
 あれだけ自信満々に宣言しておいて、やっぱりできませんでした、なんてことになれば命が危うい。ここは宇宙最強の海賊、春雨の第七師団なのだから。

──やっぱりパソコンが欲しいなぁ。この予算は確保しておこう。

 必要なものと不要なものをリストに書きながら、Aは手を進めていた。



「A、昼飯持ってきたよ」

 神威に声をかけられて時間の経過に気づいた。
 集中のあまり、執務室に入ってくる音にすら気づかなかった。

「ありがとう。いただきます!」

 ここは宇宙船。保存しやすい食料や携帯食料が中心の食生活になる。

「……あんまり美味しくない」

 貧乏人の癖に美食家(グルメ)なAは、しょんぼりどよよーんと残念そうな声をあげた。

「地球のご飯に比べたら、イマイチだよね」
「よし、食生活の充実も経費の予算作ろう」
「いいね。賛成」

 そんな食品革命の作戦を話しながら、神威は今後の予定を切りだした。

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夢宵桜(プロフ) - 琥珀糖さん» 読みにくくてすみません…。配色を少し変えてみましたが、如何でしょうか。 (4月1日 6時) (レス) id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - 色盲とかではないのですが、背景と文字の色が同系統すぎて読めません。可能でしたら変更して頂きたいです。 (4月1日 1時) (レス) id: 02d9a0ed5d (このIDを非表示/違反報告)
夢宵桜(プロフ) - 名無し5059号さん» 見えない色と見える色を教えて頂けますか? 私は色盲についての知識が浅いため、今の配色のどの部分が見えないか教えて頂けたら、対処法を考えられるかもしれません。 (2月16日 23時) (レス) @page46 id: 77ab0362c3 (このIDを非表示/違反報告)
名無し5059号(プロフ) - 色盲で文字が見えないけど対処法ありますか? (2月16日 22時) (レス) @page1 id: 427c7b5a4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢宵桜 | 作者ホームページ:https://lit.link/dreamfairy  
作成日時:2023年12月13日 23時

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