続 ページ34
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￣￣￣￣￣
「あれが、グルッペンか…」
「なぁあれ、一緒にいたのってトントン大尉じゃ…」
「あぁネームドの…！退役したとは聞いてたがなぁ」
「まさか反乱軍にいるとは思わなかったよ」
彼等の乗ったエレベーターが見えなくなった頃、仄かなざわめきの中そんな声が飛び交っていた。
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先程のガシャガシャという騒音は多少マシになったものの、エレベーターが動く限り騒がしいことに変わりはなかった。
グルッペンはフェンスの細い鉄網越しに、ただひたすら真っ暗な空間を眺めている。
彼の目の前には、地下と地上を隔てる分厚い土とコンクリートの層があるのだった。
暫くして、いつまでも変わらないその景色に飽いたのだろうグルッペンが口を開いた。
「久しぶりの祖国はどうだ、トントン？」
「どうもこうもあらしませんよ。しかもこんな地下じゃ実感の欠片もないわ」
「はは！だろうな」
トントンの不服そうな返答に、グルッペンは軽快に笑った。
トントンの出身は帝国ではなく連邦である。
反乱軍に所属する以前のトントンは、祖国の平穏を守らんと連邦陸軍で軍務に従事していた。
年齢条件が満たされすぐに自ら志願した彼は、その行動からも分かるように祖国への愛に満ちた青年だった。
士官学校で得た教養、そして訓練で叩き上げられた精神力と技術力。
士官学校時代は上官や仲間からの信頼も厚く、戦闘能力は勿論、指揮系統にも長けた人物として評価されていた。
勤勉な彼の力量には、大いに目を見張るものがあったという。
そして春、帝連戦争開戦。
当時士官学校を卒業したばかりだったトントンも、その泥沼の激闘に身を投じることとなる。
所属する部隊が最前線へ配置された為、当然彼自身も前線の恐怖と激烈を、その身を以て体感したのである。
幾度となく死線を越え、幾度となく敵を撃ち、幾度となく仲間を失いながらも彼は生き残り続ける。
しぶとく、それでいて、力強く。
開戦から半年。
祖国を守る誇りと帝国への憎悪が原動力だったトントンは、それまでの実績とポテンシャルの高さを買われ、若いながらも大尉へと昇進していた。
中隊指揮を任され、トントン本人の熱量も相当に高かった。
そしてそんな時。
彼を再び土臭い最前線が呼ぶのだった。
狂ったように砲撃が繰り返される戦場で、トントンは運命ともいえる出逢いを果たす。
￣￣￣￣￣
しばらーくトントンの昔話をします。
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にらもやし(プロフ) - ささはらさん» コメントありがとうございます。言葉選びにはとても気を使っているので、楽しんでいただけているようで大変嬉しいです。更新頑張らせていただきます。ささはらさんも勉強頑張ってね…！ (2018年3月4日 19時) (
レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
ささはら(プロフ) - 事細かな描写への言葉選びが卓越していて、読み進めるのが大変楽しいです。語彙が多いのが羨ましい限りです…。勉強の合間にいつも読ませて頂いています。更新頑張ってください、全力で応援してます。 (2018年3月4日 0時) (レス) id: ed6ccbb613 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - もろとさん» コメントありがとうございます。美しい、とは勿体ないです…ありがとうございます。とても嬉しいです、これからも精進していきますのでよろしくお願いします (2018年2月15日 13時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
もろと(プロフ) - 読みはじめて最初に出た言葉が「わぁ！」でした。とても美しくて、読んでいると頭に映像が流れ込んでくるみたいです！凄く好きです。これからも頑張ってください！ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 8eb97f1a18 (このIDを非表示/違反報告)
にらもやし(プロフ) - 白玉(つぶあん)さん» コメントありがとうございます。言葉や言い回しにはとても気を遣っているので、そう言って貰えるとニヤついてしまいます。更新頑張らせていただきます (2018年1月3日 21時) (レス) id: 1d32708f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にらもやし | 作成日時：2018年1月3日 13時
