54話 ページ17
敦side
『あっくん。』
暗闇の中で名前を呼ばれる。
そちらを見ると、Aが立っていた。
敦「A！！怪我は大丈夫なの！？』
走り寄って手を伸ばすと、Aは笑顔のまま僕の手をはたき落した。
『あっくんの所為だよ。』
Aの目は、まるで無機物でも見るような目だった。
急にAの目の焦点が合わなくなる。
白い肌はどんどん血の気が失せて、ついに紙のように真っ白になる。
そのまま、後ろに倒れた。
敦「Aッ！」
芥「それが貴様の業だ、人虎。」
敦「芥川！！」
芥「貴様は生きているだけで、周りの人間を損なう。」
ー異能力 羅生門ー
羅生門が僕に向かって伸びてくる。
僕はあの時………
敦「うっ、うわぁっ！」
がばっと布団の音がした。
白い天井、薬品の瓶
敦「……ここ、は……？」
国「気がついたか小僧」
敦「国木田……さん」
ベットの横の椅子に国木田さんが座っていた。
国木田さんは一つため息をつくと、こちらを見た。
国「まったくこの忙しい時に。貴様等は………」
僕の脳内に、Aと谷崎さんが血を流す姿がフラッシュバックする。
また、夢で見たAの冷たい目も。
敦「国木田さん、谷崎さんとAは！？」
国「安心しろ。二人は無事だ。」
敦「本当……ですか…？」
国「ああ。あの小娘は今、隣で与謝野先生の治療を受けている。」
次の瞬間、扉がバァンと音を立てて開いた。
『かっ、匿ってください！』
入ってきたのはAだった。
廊下から、コツ、コツ、と足音が響く。
それと一緒に、
与「A〜？どこにいるんだい？」
と言う、与謝野先生の声が聞こえてきた。
当人は、ベットの影に隠れて息を止めていた。
敦「A…ごめんね。」
『え……？』
敦「Aが懸賞金をかけられたのは、僕のせいなんだって。
だから、ごめ…！？」
急にAは立ち上がって、僕のことを抱きしめた。
子供をあやすみたいにとん、とん、と背中を叩きながら、Aは僕の耳元で口を開いた。
『大丈夫、大丈夫だよ。
私は絶対あっくんを一人にしない。
それに、懸賞金をかけられても、私怖くないもん。
…あっくんが怖いなら私があっくんのこと守るから
………だから泣かないで。』
敦「……な、泣いてない…！」
『うん、……落ち着いた？』
Aは僕から離れると、ふにゃりと笑いながらそう言った。
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エフェメラル(プロフ) - 面白いです〜頑張ってください〜 (2020年5月22日 17時) (
レス) id: e9414c3cff (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 続きがとても気になる! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます。 (2019年8月14日 13時) (レス) id: 0dcad5eff6 (このIDを非表示/違反報告)
merry widow - とても面白かったです！これからも頑張ってくだせぇ！ (2019年8月14日 9時) (レス) id: f2d486da6e (このIDを非表示/違反報告)
無気力みかん(プロフ) - kuroさん» ありがとうございます。テストが終わったので、これからじゃんじゃん更新していきます。よろしくお願いします (2019年6月22日 21時) (レス) id: cc4506b2e8 (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - とても面白くて続きが気になります！更新頑張って下さい！(p｀･ω･´q) (2019年6月19日 22時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力みかん | 作成日時：2019年3月30日 17時
