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参拾漆 うつくしき人は寂として石像の如く ページ39

その後私達は色々なところを巡った。
デート場という敦君の案は案外悪くはなく、鏡花ちゃんは楽しんでいる様子だった。
流石にクレープを食べた後あんみつの暖簾を見詰めていたのには驚いてしまったが。

そんなこんなで足が棒になるほど歩きフラフラになってしまった。
鏡花ちゃんは同じだけ歩いた筈なのにまだ疲れた様子はなく、改めてマフィアの構成員なのだと認識させられる。

ふと、目の前を歩く鏡花ちゃんが行きたい場所があると足を止める。

泉「あそこ」

顔を上げると交番があった。
予想だにしなかった場所に思わず目を疑う。

泉「もう十分楽しんだから」
中「でも!捕まれば君は死罪で!」
泉「マフィアに戻っても処刑される。それにーー35人殺した私は生きていることが罪だから」

私はその言葉に何故か酷く腹が立った。
鏡花ちゃんに一歩近づきなるべく優しく諭すように言う。

「確かに君は最終的には死ぬだろう。だけど私は生きていることが罪だとは思わないよ。全面的に、とは言わないが私は君を利用したマフィアにも責任の一環があると思うよ。それを全て自分のせいにするのはーーー」

とそこまで言った時脇腹が熱く、痛みを持ったことに気づく。
ゴポッと口から血が溢れる。
何が起きた?

自分の体が前に倒れていく感覚がある。
チラリと横を見ると敦君の胸に太い棘のようなものが突き刺さっているのが見える。
あの異能を私は知っている。芥川龍之介だ。


私の予想通り後ろから彼の話す声が聞こえる。
鏡花ちゃんには発信機が埋め込まれておりそれを使い追ってきたという訳だ。

そして彼は敦君を止まった車の中に放り込む。
このまま逃がしては行けない
私の直感がそう告げた。

「まて…」
芥「何だ、まだ息があったのか」
「鏡花ちゃんを…敦君をどうするつもりだ」
芥「貴様に教える義理はない。生憎僕は貴様とつるむ暇はない。行くぞ、鏡花」

そう言って立ち去ろうとする音が聞こえる。
だんだん薄れていく意識の中で、1分を告げる音が聞こえる。

「…異能力…『青銅の魔人』」

身体の自由、それと五感、声帯の機能を停止させた。
自らの様々な所から出血するのが分かる。喉も焼けるように痛い中、必死に話す。

「今すぐ敦君を連れて逃げて、鏡花ちゃん。あいつは今何も出来ない。だから早く逃げて…!」

私が気を失っては意味が無い。
必死に目を開け意識を保っていたが芥川の部下であろう人に撃たれ私は気を失った。

ーーー
毎回夢主重症負ってる気がする…

参拾捌 Detective Boys→←参拾陸 うつくしき人は寂として石像の如く



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作者名:コンバスのマリネ | 作成日時:2021年4月7日 23時

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