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弐拾陸 Murder on D Street ページ28

箕「犯人の…偽装工作!」

そこまで推理は進む。
犯人の偽装工作である以上、この事件はある程度マフィアについて知識を持った人物によって引き起こされたものだと分かる。
これである程度犯人は絞れるけど…

杉「そんな…偽装の為だけに遺骸に二発も撃つなんて…非道い」

彼のその発言に私は溜息をひとつつく。
成程ーーー、犯人は杉本巡査か。
こんな人畜無害な顔をしているのに殺人を犯すなんて。世の中は恐ろしいものだ。

江「ぶーーー!はい時間切れー、駄目だねぇ君。名探偵の才能ないよ!」

そう言って先生は杉本巡査の肩をべしべしと叩く。
絶対もう真相に気付いているのに動揺のな無さ、やっぱり先生は凄い。

江「はいA、時計ありがとねー」

そう言い先生は私の手に銀色の懐中時計を戻す。

「先生、私は異能を発動させておいた方が良いのでしょうか。」

犯人がこの場にいる以上安全であるとは言いきれない。
ましてや彼は警官。拳銃を保持しているのだ。
いくら私が相手を行動不能にさせることができると言ったところで拳銃の弾のスピードには敵わない。

江「僕の見習いを名乗るなら自分で考えなよ。名探偵は自分の頭を信じるものだよ。」

そう言い先生は私の帽子をぽふぽふと叩く。

「…分かりました。では、先生。決して無理はなさらないでくださいね。」
江「分かってるよ」

そう告げて先生は箕浦さんのいる方へ戻っていく。

「異能力 青銅の魔人 」

私は人知れず、杉本巡査に異能をかける。
1分のタイマーがスタートする音が微かに聞こえたのであった。

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作者名:コンバスのマリネ | 作成日時:2021年4月7日 23時

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