拾参 ヨコハマギャングスタアパラダヰス ページ14
中「うーん、お役人さん?」
太「惜しい」
相変わらず職業当てゲエムは続いている。
今は国木田さんの番だ。国木田さんは見た目通りまじめだからお役人さんというのは共感できる。
まじめに資料とか書いていそう。あとその日のノルマ終えるまで絶対残業すると思う。いやでも予定通り定時に…?
…やばい、想像が止まらなくなってきた
太「彼は元学校教諭だよ。数学の先生。」
そう。国木田さんは学校教師。それも数学の。
私は職についていてろくに学校に通ってこなかったから入社初期のころはよく教えてもらっていた。
数学ってなんであるのだろうか。国木田さんに何度教えられても理解できなくて彼が匙を投げる寸前までいった。
あの時はごめんなさい国木田さん。でも私はいまだに数学の存在意義はわかりません。
人間は四則演算さえできれば生きていけると思います。
そんなことを考えていた私だったが、隣からの大きな音、つまり敦君が思い切り席を立ちあがる音によって現実世界へ呼び戻された。
中「中てたら貰える?本当に?」
太「自 殺主義者に二言はないよ。」
どうやらいつの間にか太宰さんの職業当てになっていたようだ。
賞金が出ることを知ったのだろう。敦君の目の色が変わった。
ちなみに私も太宰さんの前職は知らない。予想は海外で500人ほどの女性を泣かせたというものだったのだが、これを彼に伝えたら真顔で否定された。
中「勤め人!」太「違う」中「研究職」太「違う」中「工場労働者」太「違う」中「作家」太「違う」
中「役者!」
その言葉にピクリと反応する。
太「違うけど…ある意味それは正解だ、敦君。」
そう言い太宰さんは私の肩に手を置く。
太「役者はAちゃんの前職だ。」
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作者名:コンバスのマリネ | 作成日時:2021年4月7日 23時