すべり台の穴【Side青】 ページ6
公園の前でタクシー止めて、僕は走った。息があがった。
結構大きめの公園だから、すぐには見つからんくて…「すべり台の穴の中」ってなんやねん。すべり台に穴なんてあるか！？
公園のマップ見て、このグラウンド場の向い側に、子供向けの遊具エリアがあることを確認して、また僕は走った。
あった、アレや……。
ちっこいアスレチックみたいになってて、ウンテイとか登り棒とかくっついてるとこに、上から降りられるすべり台と、その下に、子供が隠れられるような、１メートルくらいの穴。
あん中や……。
僕は息を整えながらゆっくりとそこに近づき、驚かせないように、慎重に中を覗き込んだ。
「Aちゃん…何しとるん…」
はっと顔を上げたAちゃんは、予想とは違って泣いていなかった。
ただひとこと、
「ごめんねヤスくん…ありがとうね」
とだけつぶやいて、力なく笑った。
ギイイ、ギイイと、油差してないブランコが揺れる。立ち漕ぎするAちゃんと、座っているだけの僕。
「こんな時間にこんなとこおったら危ないやろ…寒ないん？」
上着、貸したいけど持ってへん。
「うん、大丈夫。30分くらい公園の中歩いてたんだけど、さすがにちょっと怖くなって、あの穴の中に逃げちゃった」
“公園歩いてたらね、あっちに子供が乗る、ペンギンの遊具があって”
“ヤスくん想い出して、思わず連絡しちゃった”
……
せっかく僕が大人になろうとしてんのに、この人は天然なんかな…。
ちょっとだけ恨めしくなるけど、言われんでもわかっとる。
渋やんと…なんかあったんやろな。
このままだとたぶんAちゃん、なんも言わんし。
僕は立ち上がり、ゆるく漕いでるAちゃんのブランコの鎖、強引にギュッと掴んで、
無理矢理、その動きを止めた。
「…どうしたん。話してくれな、わからんやろ」
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たまご(プロフ) - ななさん» なな様、うれしいコメントありがとうございます^ ^ すばるくんとの旅行、一緒に楽しんでくださいね^ ^ (2018年1月11日 1時) (
レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、いつもありがとうございます！ 青さん派のあくあさんには申し訳ないですが、不器用すぎる赤さんとの旅行、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです！ (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - psycheighterさん» psycheighter様、コメントありがとうございます^ ^ 有り難いお言葉、うれしいです…！ 彼らも大人なので、こんな恋愛していてほしいという、私の願望が詰まっておりますが…笑、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。 (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 今1番更新が楽しみな小説です。私はすばる担なのですばるくんと幸せになったらいいなぁとドキドキしながら読ませて頂いてます！ (2018年1月11日 0時) (レス) id: 6cdacb0f72 (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - ほんと不器用すぎて切なすぎる。けど、それも赤さんっぽさが出てていい。あぁ〜映画化してほしい。笑 (2018年1月10日 23時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月2日 17時
