恋と臆病【Side青】 ページ23
んーん……
正直に言えば。
この１か月の間、何より不穏なのは、僕の心やった。
Aちゃんに夜の公園で好きや、と言うてから。
キス、してから。
僕はあれきり、Aちゃんと会えていなかった。
１か月…半くらいのことやけど。
別に、そんくらいの期間、ええんやけど…。
飛行機のスタンプ送ったら、「了解」のスタンプ返ってきて、その噛み合ってなさと、Aちゃんの生真面目さに笑ったのが、10月末のことやった。
それからまた ちょっとして、何故か夜中に唐突にケンタッキー食べたくなった日に、「クリスマスにはAちゃんとパーティーバーレルや！」という謎のテンションでニワトリのスタンプ送ったら、今度は…見事に既読スルーやった。
楽観的な僕は、「夜中やったし」「寝ぼけて開いてそのままにしちゃったんかもしれんし」「ニワトリて、我ながら意味わからんし」「こんなん返しようないやん」と、自分への言い訳を集めて、その寂しさに蓋をした。
そんでまた、11月の真ん中へんくらいに、「久しぶりに会えへんかな」と 今度は直球で送ったんやけど、それはいつまで経っても 未読のまま。
ーー単なる寂しさが、不安に変わった。
何か……あった？
ひょっとして事故とかちゃうんかな。
家、行ってみたほうがええんやろか。
でも もしAちゃんなりに、何かを考えてのことだとしたら？
前みたいに 自分の気持ち押し付けたら、余計追いつめてまうかもしれん。
そもそも渋やんのこと気にしてうだうだしてる僕に、何か言えることはあるんやろか。
………
Aちゃんを好きだと認めてから。
僕は自分でも信じられないくらい、臆病になってしまったみたいや。
渋やんに何も言えんのも、いつも通り振る舞ってまうのも、
そのくせ聞き耳だけはしっかり立ててしまうのも、
ただ、僕が臆病なだけで。
これが、恋と呼ばれるもののせいやとしたら、
恋って、あまりにも、暴力や。
……それでも元来 楽観的な僕は、まだどこかで信じていたかった。
あの日 最後に見送った時の、
彼女のくすぐったい笑顔を。
さりげない業務連絡【Side青】→←水面下の非日常【Side青】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 759人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たまご(プロフ) - ななさん» なな様、うれしいコメントありがとうございます^ ^ すばるくんとの旅行、一緒に楽しんでくださいね^ ^ (2018年1月11日 1時) (
レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、いつもありがとうございます！ 青さん派のあくあさんには申し訳ないですが、不器用すぎる赤さんとの旅行、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです！ (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - psycheighterさん» psycheighter様、コメントありがとうございます^ ^ 有り難いお言葉、うれしいです…！ 彼らも大人なので、こんな恋愛していてほしいという、私の願望が詰まっておりますが…笑、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。 (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 今1番更新が楽しみな小説です。私はすばる担なのですばるくんと幸せになったらいいなぁとドキドキしながら読ませて頂いてます！ (2018年1月11日 0時) (レス) id: 6cdacb0f72 (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - ほんと不器用すぎて切なすぎる。けど、それも赤さんっぽさが出てていい。あぁ〜映画化してほしい。笑 (2018年1月10日 23時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月2日 17時
