世界とつなぐ熱【青】 ページ13
私は、わけがわからなかった。
こんなふうに誰かの前で、余裕をなくしている自分をさらけ出すのは初めてだった。
身体を離されたと思ったら、まるで嫌々と顔を背けるだだっ子をなだめるように両手で頬を強く掴まれて、
ヤスくんが真っすぐこちらを見て言ってくる。
「俺は、Aちゃんが、好きや」
その言葉が、私をまた動揺させる。
彼が一度も言ってくれなかった言葉。
彼に一度も伝えられていない言葉。
それを、彼と同じ立場にいるはずのあなたが、そんな簡単に言わないで。
……自分がめちゃくちゃなことを考えているのはわかっていた。
応援してくれたヤスくんの好意を利用しておきながら、こんな失礼なことを思う自分への嫌悪感でいっぱいだった。
でも、自分で自分を救えなくなった今、助けてくれるのは、確かに今目の前にいる、この人だけだった。
ヤスくんの顔が近づいてくる。
私はまた反射的に、顔を背ける。
この８年の間、彼以外としたことのないキス。
キスをする時の、彼の意地悪な顔を想い出す。少し照れた顔を想い出す。鳥肌が立つような、色気をそなえたあの表情を想い出す。
それを掻き消すように、ヤスくんの唇が触れる。
一瞬それが離れたかと思うと、もう一度降ってくる。
何度も何度も繰り返されたかと思ったら、また顔を離して、じっと見つめられ、
“今キスをしている相手が誰か”を思い知らせてくる。
またそっと近づき、触れた唇から差し入れられた柔らかい舌が、熱かった。
寒い公園の中、すっかり動きの止まったブランコの前で、
その時、世界と私をつなぐものは、この熱しかないように感じていた。
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たまご(プロフ) - ななさん» なな様、うれしいコメントありがとうございます^ ^ すばるくんとの旅行、一緒に楽しんでくださいね^ ^ (2018年1月11日 1時) (
レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、いつもありがとうございます！ 青さん派のあくあさんには申し訳ないですが、不器用すぎる赤さんとの旅行、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです！ (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - psycheighterさん» psycheighter様、コメントありがとうございます^ ^ 有り難いお言葉、うれしいです…！ 彼らも大人なので、こんな恋愛していてほしいという、私の願望が詰まっておりますが…笑、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。 (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 今1番更新が楽しみな小説です。私はすばる担なのですばるくんと幸せになったらいいなぁとドキドキしながら読ませて頂いてます！ (2018年1月11日 0時) (レス) id: 6cdacb0f72 (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - ほんと不器用すぎて切なすぎる。けど、それも赤さんっぽさが出てていい。あぁ〜映画化してほしい。笑 (2018年1月10日 23時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月2日 17時
