58話 ページ17
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「...独歩さん、
もっと寄ってください
落ちちゃいますよ」
「俺なんかが女の子と同じベッドで眠るなんてありえない
死にます」
「やめてください
それ以上言ったらわたし、ソファで眠りますからね」
優しい独歩さんならきっとこれで黙ってくれるだろう、と少し意地悪なことを言ってみると、案の定それ以上何も言ってこなかった
お風呂を済ませ、二人並んでダブルベッドに寝転がっている
独歩さんが端に寄りすぎているおかげで、シングルベッドくらいスペースがあるけれど...
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「...じゃ、話の続きをしましょうか
独歩さん、外にいた時、なんて言おうとしてたんですか?」
ごろん、と寝返って、独歩さんの方を向く
独歩さんの首が少しこちらに傾き、目が合った
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「...君は、その...信頼していた元お兄さんに、異性として見られてたわけだけど...嫌じゃなかったのか?」
「...」
それは、今までずっと、あの時からずっと、考え続けていたことだった
「...実は、そういうの、分かんないんです
縁がなかったっていうのもありますけど、男の人、そういう対象として見たことなくて」
今まで関わってきた男の人なんて、乱数と、乱数繋がりの元TDDの3人とポッセの2人くらいだった
経験したことがないから、好意を持たれても、それがどういうもので、どういう気持ちになるのか、わたしには全く分からないのだ
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「そうか...
君がやたらと無防備なのも説明がつくな...」
納得したように頷く独歩さん
わたしってそんなに無防備なの?
「君はまず、男をちゃんと異性として意識するべきだ
それに、意識しないと自衛はできない
君は少し無防備すぎる」
「...う、
でも独歩さんこそ、わたしのこと女だって意識できますか?
少なくともわたし、独歩さんとっても優しいし、卑屈だし、...卑屈だし、異性として意識できません
友達です」
そう言って、少しおどけてみせる
「確かに...!」と納得する独歩さんが目に浮かんだ
でもそれは、所詮わたしの都合のいい妄想で、目の前の独歩さんは笑ってすらいなくて、ゆっくりと半身を起こせば、わたしに覆いかぶさるようにベッドに肘をついた
部屋の明かりが独歩さんで遮られて、視界が暗い
何も言えなくて、身動きも取れなくて、そのまま困惑の瞳で独歩さんを見つめた
「...意識してるよ、俺は」
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黒猫 - はじめまして、読ませていただきました!続き頑張ってください(´∇`) (2019年11月3日 17時) (レス) id: 18b168acfc (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 幻花さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - えのぐさん» ありがとうございます...!!更新頑張れちゃいます!初寂雷先生!参考にさせていただきます! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - ラーさん» ありがとうございます!これからも期待に添えるようなお話書いていきたいです!引き続きよろしくお願いします! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - アオリヒメさん» おお!同じポ女さんですねっ!!ありがとうございます!後々オチアンケート取りますので参考にさせていただきます! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とまとん | 作成日時:2019年1月6日 21時