55話 ページ14
18歳になって初めての朝、記念すべき初出勤
「う、えぇ...」
...正直もう、限界だった
初出勤なので3時間ほどで仕事は終わり、ふらつきながらも裏出口から路地へ出てその場でしゃがみこむ
こんなに大変だとは思っていなかった
18歳だからって容赦はされない
沢山お酒を飲まされるし、お客様の機嫌を損ねないように場を盛り上げなければならない
正直いってものすごく体力を使う
いつか、この辛さに慣れる時が来るのかな?
お酒が美味しく思えるようになるのはいつなんだろう?
「気持ち悪い...」
はぁ、と小さく息を漏らせば、ズキズキと痛む頭を抑えた
いい加減、帰らないと...
.
「...Aちゃん?」
「!」
途端、後ろから聞き覚えのある声が聞こえる
肩を掴まれたので、ゆっくりと振り返った
「なんで、ここに...」
思った通り、そこには驚いた表情の独歩さんが立っていた
「一二三がしばらく渋谷店にヘルプに来てるんだけど、忘れ物をしたっていうから届けに来たんだ」
そういえば、ここら辺はキャバクラももちろんだが、ホストクラブも多かったな、なんて呑気に思う
「おつかれさまです」
「あ、どうも...いや、そうじゃない、そうじゃなくて
なんで君がこんなネオン街にいるんだ?
しかも...お酒臭いし」
未だしゃがみこんでるわたしの腕を掴んで、ゆっくりと立ち上がらせてくれる
「今日からそこのキャバクラで働いてるんです」
「...は!?え、君が...キャバクラ...?」
口元に手を添えてブツブツと独り言を漏らせば、ちらりとわたしを見やる独歩さん
「に、似合わなすぎる...」
「失礼ですね」
独歩さんもキャバクラとか利用するんだろうか?
想像出来ないが、一応ダメもとで名刺だけでも渡しておこう
「ちょっとまっててくださいね...
名刺、めいし...」
カバンの中をまさぐるも、なかなか名刺入れが見つからない
物が多すぎるからとかではなく、カバンが、何重にも、みえる
知らず知らずの間に首がかたむいていく
顔がとてもあついし、まぶたがおもい
「...Aちゃん、あの...
もしかして、酔っ払ってる?」
「......はぁ?よっぱらってらんか.........」
返事を言い切る前に、意識が途絶えた
もう一生お酒なんて飲みたくないと思った
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黒猫 - はじめまして、読ませていただきました!続き頑張ってください(´∇`) (2019年11月3日 17時) (レス) id: 18b168acfc (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 幻花さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - えのぐさん» ありがとうございます...!!更新頑張れちゃいます!初寂雷先生!参考にさせていただきます! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - ラーさん» ありがとうございます!これからも期待に添えるようなお話書いていきたいです!引き続きよろしくお願いします! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - アオリヒメさん» おお!同じポ女さんですねっ!!ありがとうございます!後々オチアンケート取りますので参考にさせていただきます! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 85dbdff21a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とまとん | 作成日時:2019年1月6日 21時