トラガスとロック

進化 ページ18

おれの華やいだ指先とリンクするかのように、
多様なメロディーが降りてくるよーになった。



すぐボイスメモできるようにポケットには携帯。
リュックの中にはスケッチブック。
降りてきたもの、逃さんように。




渋やんと二人の曲。

もっと、もっとディープに。
渋やんを最大限生かせるように。
万人受けせんくてええ。
渋やんが気持ちよくなれる音を。

そんでAさんが、喜んでくれたら。
おれらの音楽に酔いしれてくれたら。
そう願うのが、おれの想い。




おれらのバンドの曲。

今までのおれらになかったものを。
おれらの無限のカラーを引き出す曲を。
この7人だから出せる音を。


世の中をおれらの音で楽しませ翻弄させたる。


色んなコード、色んなフレーズ。
音で世界を彩るように。


ドブネズミやったおれらが見てきた、装飾のないツマラナイ世の中を、
音楽で染め上げ、落書きするように。




もっと、もっと。


世の中に届け、包め、彩れ。


おれらは ここにいる。








ｼﾞｬｼﾞｬｼﾞｬ ｼﾞｬｰｰｰﾝｯ


「…、どう？」




「「「「………、」」」」




丸「ほぇーーっ、ブラボーっ！章ちゃん天才っ！！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

大「ただの観客！爆」



横「うゎー、これ覚えなアカンのやろ？コード複雑やし、」

村「ポコポコにはコードないわ！爆」

大「ただコード言いたいだけや。笑」




渋「よっしゃ ええな。じゃ。」ｶﾞﾀﾝ

「あっ、今日は歌？」

渋「まぁな。」


丸「すばる、行こうか？」

渋「いらんわ！笑」





錦「章ちゃん、お疲れ」ﾎﾟﾝ

「、お疲れっ！今日の亮めっちゃ良かったなぁ。」

錦「ホンマ？ありがとう。」



錦「あの…、何か、ありがとうな。」

「、ん？」


錦「んー…、上手く言えへんけど、、今回の曲、俺らの事も考えて作ってくれたんやなって何か思ってん。かといって昔の曲ともちゃうくて…、章ちゃん、進化したんやなって感じた。」



錦「とにかく歌いやすかったし、めっちゃカッコええ曲やったし、俺気に入ったから。」


錦「成功、、しよーな。」


「りょう、」


錦「じゃ 俺、バイトやから！」ﾀﾀﾀｯ



「…ありがとぅ。」




変わっていく自分。
変わった自覚のあるところも、ないところも。


それを"進化"と受け止めて、俺も負けへんでって。
音楽で、言葉で。


こーゆーキャッチボール。
ひとりやないんやなぁって思う。



変わることを恐れずに。
そして、おれはまたひとつ強くなる。

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