耐えられない ページ17
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給湯室の中にいるローレンと私。
『と、とりあえず私はドリップマシーンを掃除するので、ローレンは棚の掃除お願いします』
あー。やっぱりまだ私怒ってるみたいだ。
怒ってると ですます口調になっちゃうんだよなぁ。
ぴく、とローレンの肩が上がった。
ローレン「A。ごめん」
『…何がですか?』
ローレン「ちゃんと謝りたいから、こっち向いて…お願いAっ、」
ローレンの声が震えてるのが分かって、深呼吸してからローレンの方に身体を向けた。
ローレンは下を向いているが、私の身長が小さいため、ローレンが泣いてのが分かった。
『なんで泣いて…』
ほろ、と零れている涙を人差し指の背で拭えば、瞬く間にローレンに抱きしめられた。
『え、ローレン?』
ローレン「やなんだよ!お前と話せないのも、お前に無視されるのも、お前が他の人に取られんのも!…お前が好きなんだよ!」
『…え?』
急なローレンからの告白に、私が びくっ!と身体を動かせば、離れた身体。
ローレン「っ、!ごめんっ!!」
ローレンは、そう言うと給湯室から出て行った。
結局仲直り出来た…のか?
あれ、今私告白された…?
何が何だか分からないまま、掃除を再開する。
明日は佐藤くんとデートか…
給湯室の掃除を済ませ、部署に戻り、帰る準備をする。ローレンはいなかった。
翌日
『…寝れなかった』
いつも通り布団に入るも、給湯室での出来事が頭の中をぐるぐると渦巻いて、意識が落ちたのはついさっきに感じる。
待ち合わせがお昼からで良かった。
会社にはスーツで行くから、私服のレパートリーが少なく、しかも殆どがデート向きではない。
悩みに悩んで袖を通した。
待ち合わせ場所に行けば、既に佐藤くんが待っていた。
大学卒業まで運動していたスポーツマンの佐藤くんが私服だと、スーツで隠れていた筋肉が浮かんで、意外と筋肉あるんだなぁ…と自分の同期と部長の姿を思い出し、比べた。
今はデート中!と頭を振って頭の中の同期を消した。
『お待たせ〜!』
佐藤くんの前に行けばスマホに向けていた視線が私に向いた。
佐藤「お、おおはようございます!せんぱい!」
『昼だけどね 笑』
佐藤「せんぱい…スーツだと綺麗でかっこいいすけど、私服だと可愛いっすね…」
『そ、そう?ありがと…』ニコ
佐藤「今日やばいかも…」
『ん?』
佐藤「あー!いや!なんでもないです!さ!行きましょ!」
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れこ(プロフ) - あまつかあくまさんの作る文章が大好きです…!最新話もめちゃくちゃ良くて…🤦♀️これからも更新頑張って下さい! (5月3日 16時) (レス) id: fc4b70d152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまつかあくま | 作成日時:2024年3月3日 13時