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27.寝落ちオチだなんてサイテー ページ29

貴方.side



「頑張り屋のさっくんの好きな所なんて、
全部に決まってんじゃん普通」

「だからそれじゃ」

「分かってる、具体的な例出せってコトでしょ
むしろ『こんな恥辱プレイ所望してくる変態さんめ』って罵倒した方が良い?」


嫌だとハッキリ首を横に振られて否定され、憐れ自分は背後のソファーに身体を沈めて「でしょー」と目尻に薄ら涙を浮かべつつ悲しくも肯定の意を示した。

再度額を撫で上げて、トントンと彼の腹部を一定のリズムで軽く叩く。


ある程度耳朶にその音が聞き馴染んだ頃、暫く閉ざしていた目蓋を自分でこじ開け
熱気で乾燥して張り付いた唇を引き剥がして羞恥心を覚えながら次第に言葉を紡いでいった。



「偶に優しくしてくれるトコとか、狡いなとは思うけどフツーに嬉しいし...
ペットちゃん達と仲良く遊んでるの見ると世話焼きで凄いな可愛いなって、いっつも思ってたし」



素直に素直に、と自分自身に脳内で何度も呪術の様に唱えて
持っている恥じらいを全て捨て切ろうと、顔を彼から少し逸らして辿々しくぶっきらぼうに賞賛の言葉を投げ掛ける。

何故だか途中で返事が耳に入ってこないが、慌て過ぎて焦っている俺にはそんなどうでもいいコト
自身の物忘れの激しい鳥頭からはすっかり抜け落ちていた。



「後さっきも言ったけど、ストイック過ぎるトコとかも
程々にして欲しい時もあるけど尊敬してる、し

...って嘘、
さっくん寝てんじゃん、喜ばしい事だろうけどマヂ巫山戯んな」



何時の間にか可愛らしくスースーと寝息を立てて寝る彼を睨み付け、ゆっくりと溜め息を弱々しく吐き出し
下眼瞼近くから照れ臭さと後ろめたさの結晶である水滴が伝う頬を上気させて俯く。


「俺、さっくんのそういうフラグクラッシャーのトコだけは嫌いかも...なんて」


巫山戯てそう呟けば、膝上の彼が察した様に夢裡で唸った
本当は起きてるんじゃ、と疑ってかかってみれば彼は本当に瞳を色素の薄い肌色の瞼で覆っていた。


視線を他のパーツに移せば、眼中に映ったのは少し悪い血色であるものの綺麗な唇

駄目だと十分理解はしているけれど
俺と同様、乾燥してカサついているソレ(・・)に為す術もどうしようもなく心を惹かれる。



体躯を折り畳んで屈ませ、意志を持って瞳を閉じた。





「ん...ぁ、」






気が付けば、彼の口端に自分の唇をくっ付けて触れさせてしまっている

後悔の波と濁りを含んだ感情が一気に押し寄せてくるのは、もう直ぐそこだった。

28.『※※※』→←26.褒め言葉で一発KO



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矢代(プロフ) - さらさらさん» 貴重な感想、有難う御座います! (2022年7月24日 20時) (レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)
さらさら - と、尊いが過ぎる…!! (2022年7月24日 15時) (レス) @page32 id: 4475130a0e (このIDを非表示/違反報告)
矢代(プロフ) - ネコ日和。さん» ゑ、あ....い、生きてくだせえ!!(必死) (2022年7月11日 20時) (レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - ぶわああああああ‼ちゅ、ちゅーした‼??やばい、え、どう、あ……(困惑)悶え死ぬ運命しか見えん…笑 (2022年7月9日 21時) (レス) @page29 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
矢代(プロフ) - ネコ日和。さん» 反則級にイチャつかせました(笑) 大丈夫、ショタ好きは共通性癖です😌👍。ラフの状態ではもっと距離近いかも...、作者の私でも「もっとやったれ!!」ってなってるから多分皆そうだと思う(妄想)。 (2022年7月3日 20時) (レス) id: 47e380d88a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:矢代 | 作成日時:2022年6月5日 15時

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