692 孤独 ページ32
松本さんは家まで送ってくれただけじゃなく、制服に着替えた私を学校まで送ってくれた。
今日は向こうの病院へ行く日だと言っていた。
忙しいのに申し訳ないことをしちゃったなあ。
車を降りて歩いていると、後ろから歩いてきた蘭に肩を叩かれた。
「ちょっと、どうしたの？」
「蘭、おはよう」
「おはようじゃないよ、何で松本さんと登校してんのよ」
「何でって……」
どうしよう。
いくら蘭でも、本当のことを言う訳にはいかないよね。
口ごもっていると、蘭は片方の眉を上げた。
「まさかA、松本さんと朝帰り？」
何で……っ
蘭の鋭さに唖然とする。
だけど、否定しなきゃ。
「ち、違うよ！
昨日お母さんが倒れて大変で、ちょっと色々あったからそのついででっ」
「そうなの？大丈夫なの？」
「うん、とりあえずは……」
「そっか。
ま、松本さんがAに手を出す筈がないよねえ」
「そうそうっ。
私なんかいつも貧相だとか色気がないとか散々言われてるし」
「へえ。ふうん」
蘭の視線が怖い。
でも素知らぬ振りをして、何とか乗り切った。
親友に隠し事は出来ないと改めて知る。
松本さんが悪く思われるのだけは避けなければいけない。
彼は私を守ろうとしてくれた。
私のことを大切に思ってくれているの。
だけど、何となく自覚する。
私はいけないことをしてしまったんだって。
親友にも言えない関係ってことは、本当に許されないことなんだって。
でも、松本さんがいなかったら私はどうなっていたかわからない。
朝を迎えられたのは彼のお陰。
あれから、お父さんからもお姉ちゃんからも連絡はない。
お母さんはまだ目を覚ましていないんだろう。
このまま、お母さんとは二度と話を出来ないままなのかな。
お母さんの気持ちもわからなくはないけど、あんな風に松本さんを罵るなんて。
改めて自己嫌悪に陥る。
「A」
「……ん？」
「何かあったら相談しなよ、いつでも聞くから」
「うん……ありがと」
蘭の腕に腕を絡めたら、「愛してるよ、A」って蘭の恋愛劇場が始まった。
笑いながら歩く通学路は、あと何度通ることができるだろう。
親友に秘密を作った、冬の朝。
吐く息は白くて、空気は冷たくて、私の世界には松本さんしかいなくなった。
先生への恋心を忘れた訳じゃない。
先生は先生。
決して叶うことのない想いだもの。
なんて、言い訳なのかな。
私に先生を好きでいる資格なんかないんだろうな。
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yuko(プロフ) - オム翔さん» オム翔ちゃん、感想ありがとう♪その映画見たことない〜！あれも先生が生徒にチューしてたよね？あんな可愛い生徒がいたらやってまう気持ちもわかるけど。←なぜ先生目線ｗ最後ハッピーエンドだった？櫻井先生帰らないでほしかったね(´；ω；`) (2018年10月5日 0時) (
レス) id: 002ad326f1 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪先生も松本さんもかっこいいし素敵だし、どっちも好きだからどっちも選べないよね(笑)！贅沢な悩みだわ〜だから妄想ってやめられない(〃▽〃)生徒×教師も兄×妹も同じく禁断だしね。イケナイことばっかりでドキドキしちゃうねｗ (2018年10月5日 0時) (レス) id: 002ad326f1 (このIDを非表示/違反報告)
オム翔 - 今更ながら生田斗真君の先生！好きになっても〜を見ててなんかいろいろ重ねて読んでたらキュンキュンが増しました笑笑心配してきてくれる先生はやっぱり優しいです！でも、待っててって言ったら待っててほしかったな〜プレゼントを渡す日が来るといいですね！ (2018年10月1日 0時) (レス) id: 1863dc6a09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - いやぁ〜イイ男二人に守られてて、そりゃどっちを選ぶか迷いますよね(笑)櫻井先生も本当に心配してくれてた！(人´▽`*)待っててって言ったのに、まさか松本さんが何か言った？！でも松本さんは松本さんで一番守ってくれるしなぁ〜(*ﾉд｀*)σどっちも選べないですよ〜 (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7082127890 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆきままさん» ゆきままちゃん、感想ありがとう♪なんで桃太郎だったんだろうな(笑)お母さんとの思い出の絵本が桃太郎だったりしてね。truth、もうTVでは見られないと思ってたから嬉しかったよー！ (2018年9月27日 0時) (レス) id: 002ad326f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2018年8月25日 1時
