155 既知の事実 ページ34
「どうなったかなあ、あのふたり」
私は雅紀さんに抱えられたまま。
息がかかる距離で、彼の話に耳を傾ける。
「翔ちゃんはさあ、いっつも無駄にあれこれ考えすぎなんだよね。
考えるより行動しちゃうオカちゃんとは真逆でさ」
「そっか……じゃあバランスいいのかもしれませんね」
「そうだね。
散々まわりを巻き込んだからには幸せになってくれないとね」
「はい……」
巻き込まれたというか、勝手な思い違いで振り回されたのは雅紀さんと私。
しかもふたりして。
可笑しい。
良かった。
雅紀さんが私だけを好きでいてくれて。
こうして側にいてくれて。
イチャイチャしていたら、コンコンとドアをノックする音がした。
「どうぞ」
えっ！？
どうぞじゃないよ！
慌てて離れようとする私を、雅紀さんは離してくれない。
ドアは開いて、見えたのは藤村さんの顔。
ひーっ！
ついに藤村さんにも見られたっ！
「おはようございます、雅紀様」
「おはよう」
「Aさんも一緒でしたか、おはようございます」
「おおっ、おはようございます……」
藤村さんは特に驚きもしない。
いつものようにニコニコ、紳士然としている。
あれ……？
何も言わないの？
藤村さんは私に目もくれず、雅紀さんへ連絡事項を話す。
「本日予定されていた会食ですが、西門様が体調不良のため中止となりました」
「体調不良？総一郎が？」
「ぎっくり腰と仰っておりましたが……どうだか」
「相変わらずだなあ、あの人も」
「ですので、本日は終日フリーでございます」
「そうか、ありがとう」
西門さんとは、雅紀さんのお友達で茶道の家元らしい。
そして相当の遊び人だという噂。
二人の会話の様子からすると、ぎっくり腰というのはどうやら嘘。
真相は謎だけど、お陰で雅紀さんがお出かけしなくて良くなった。
「お食事の用意が出来ております、いつでもどうぞ」
「わかった」
「では、私はこれにて失礼致します」
藤村さんは一礼して、お部屋を出て行った。
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yuko(プロフ) - ﾅｵさん» ﾅｵちゃん、感想ありがとう♪うんうん、やっぱり妖精だったんだあってなる（笑）まず自分と同じ人間だと思えない、神様は不公平すぎるｗ主人公も普通な自分と完璧な雅紀さんとを比べて不安になっちゃうんだろうね。贅沢な悩みだわ(ノ_ ;) (2017年8月24日 0時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ミカさん» ミカちゃん、感想ありがとう♪わかるっ！腕捲りいいよね、腕の筋とか筋肉の感じとか好き。女子にはない部分だもんね〜！そうそう、不安も不満もなんでも伝えればいいのに我慢するから拗れちゃうんだよね。受け止めてくれる雅紀さんはやっぱりステキ☆ (2017年8月24日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - keiさん» keiちゃん、感想ありがとう♪普通に立っているだけで様になる御前様だからね、運転なんかされた日にはもう…(//Д//)うらやましいっ！次の章でおしまいの予定。最後は幸せにするよ〜☆ (2017年8月24日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ゆりさん» ゆりちゃん、感想ありがとう♪うらやましいよね、ドライブデート。雅紀さんの運転を間近で見てみたい！かっこよくて景色を見るどころじゃないんだろうなあ(*´ω｀*)主人公の不安を雅紀さんが解消してくれるといいね。 (2017年8月24日 0時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
ﾅｵ(プロフ) - 相葉くんがほんとに妖精でも、「やっぱりかあ」ってなりません？（笑）イケメンで性格も良くてお金持ちでレディーファーストもできて。妖精でもおかしくないレベル（笑）でも、だからなのかな？最初は幸せを感じるけど、最後には結局不安になっちゃうのかな？ (2017年8月20日 16時) (レス) id: 6a84b334f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年7月13日 1時
