47 ページ47
強張っていた体の力を抜くと、二宮さんの腕がぎゅうっと強くなった。
「A……」
耳元で、二宮さんの声が聴こえる。
少しくぐもった、擦れた声。
「あのさ……
つまり、その……」
「はい……？」
二宮さんが言い淀んでる。
いつもハッキリこうだ！って言い放つ人が。
「……あーっ！もうっ！」
離されたと思ったら、いきなり私の肩を掴む二宮さん。
何？なんだなんだ！？
「あの……どうしたんですか？
さっきから変……」
「好きなんだよ！」
お、言い放った。
……ん？
今、なんて？
「へ」
「『へ』じゃねえっ！だからもうフラフラすんな！
わかったか！」
「は……はい……」
「よしっ！」
再びぎゅーってされる。
え……
え……
これは……
「に、二宮さん……」
「ん？」
「あの、私は……」
「今日から俺の彼女だ！
文句あるか！」
「あ、ありません……」
何故喧嘩腰……
っていうか！
嘘だろ！？
夢か！？これは夢なのか！？
夢にしてはリアルだぞ！？
抱き締められた感覚とか。
伝わってくる二宮さんのドキドキとか。
ぐるぐる考えていたら、二宮さんのスマホが鳴る。
私を抱き締めたまま、二宮さんが電話に出た。
「何だよ、邪魔すんなや！
……あ？わかったって！」
電話の相手は、きっと相葉さん。
声でわかっちゃう。
「30分後？１時間後な。
はいはい、はーい」
ピッと通話を切る二宮さん。
「……っと、いうことで」
「う、打ち上げですか？」
「そ、です。じゃ、行きますか」
「え？どこに？」
「Aんち」
さっきまで、舞台の上で輝いていた人が。
さっきまで、テンパってらしくなかったはずの人が。
あんまり妖艶に微笑むものだから、私は腰を抜かしそうになった。
それと同時に、訳も分からず涙が溢れてきて。
私は二宮さんを困らせた。
私をヨシヨシしてくれる二宮さんを見て、いつもと立場が逆だと思った。
私が犬になった気分。
それもまたよし。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuko(プロフ) - チカさん» チカちゃん、感想ありがとう♪キュンキュンして貰えて嬉しいです！他にも連載があるのでこれからも頑張ります、ありがとう(о´∀`о) (2017年7月31日 23時) (
レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - オム翔さん» オム翔ちゃん、感想ありがとう♪二宮さんは可愛さとかっこよさ、色気のギャップが堪らんよねｗそのとおり！Mr.ジェネリックは名前はマリックからイメージしたの。実態は松本さんだけど（笑）最後まで読んでくれてありがとう☆ (2017年7月31日 23時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - *-eni-*さん» *-eni-*ちゃん、感想ありがとう♪キュンキュンしてくれてありがとう、嬉しいです！松本Ｄと翔さんとは闇のつながりが（笑）克実さんは騙されてたってことに…可哀想（笑）幸せな時間だなんて嬉しい！こちらこそ読んで頂きありがとうございました☆ (2017年7月31日 23時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - もんじゃ宮さん» もんじゃ宮ちゃん、感想ありがとう♪コメント書いてくれて嬉しいです、ありがとうございます！ニノワンコを好きになってくれてありがとう、嬉しいです(о´∀`о)幸せな時間だなんて勿体なきお言葉！最後まで読んで頂いてありがとうございました！ (2017年7月31日 23時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
yuko(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこちゃん、感想ありがとう♪出演メンバーが皆濃くて、胸やけしちゃったら…と思ったけど楽しんで貰えてよかった！最後まで読んでくれてありがとうございました(*´∀`*) (2017年7月31日 23時) (レス) id: 7b49a3b518 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuko
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yashikonbu
作成日時：2017年6月17日 1時
